カーテン徴候の機序とその見方

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カーテン徴候とは片側性の咽頭筋麻痺(迷走神経障害&舌咽神経障害)があると、発声時に咽頭壁が健側に引かれること。(咽頭があたかもカーテンのように患側から健側に引かれるのをイメージ)

口蓋垂は健側に偏位する

咽頭の動きに関わる神経は舌咽神経(Ⅸ)と迷走神経(X)です。正常では軟口蓋ごと口蓋垂は挙上します。しかし、迷走神経、舌咽神経の障害があると、障害側の軟口蓋の挙上が消失し、口蓋垂の健側への偏位が起こります。

<ポイント>

健側は挙上できているのに患側はそのまま...

間に挟まれた口蓋垂は健側に引っ張られる

健側に偏位

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カーテン徴候をどう診るか

なぜカーテン徴候の所見をとるのかというと、病変部位を推定するためです。つまり、大切なのは所見を取ったときに

  • どちらが患側なのか
  • どこが障害されているのか
わかることです。

【98A10改変】

50歳の男性.1週前から嗄声が出現したため来院した.発声時の咽頭所見(A)を次に示す。

98A10a

98A10a

どっちが障害?

カーテン徴候の所見の取り方

さきほどの問題でも「発声時に」とありました。所見をとるときは患者さんに

「あー」

と声を出してもらい咽頭を観察します。

【95A76】

嚥下障害と嗄声とを主訴に来院した患者の発声時の咽頭部の写真を次に示す.
障害されているのはどれか
a 右の舌咽神経と迷走神経
b 左の舌咽神経と迷走神経
c 右の迷走神経と副神経
d 左の迷走神経と副神経
e 両側の舌下神経

95a076

95a076

正答

もういっちょ参考画像

95a076_ref_j_010

これはわかりやすいですね。

ちなみに舌下神経麻痺(舌の運動神経)では下を前に突き出したときに"患側に舌が偏位"します。

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