コレステロール塞栓症はいつ起こるのか?症状・検査所見は

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コレステロール塞栓(cholesterol embolization)は、粥状動脈硬化の症例でカテーテルなどの血管内操作により粥腫が破綻し、コレステロール結晶が散布された結果塞栓を生じて様々な循環障害をきたす病態です。

106d040

えさきち

keywordとしてカテーテル操作、抗凝固療法、心臓血管手術があります

<エピソード例>

心カテ後に足が腐ってきた
抗凝固療法を開始したところ腎機能障害が生じた

リスク因子

男性、高齢、喫煙、高血圧、糖尿病、心血管疾患を有するヒト

<誘因>

カテーテル検査、血管手術、抗凝固薬療法がトリガーになることが多い。

症状

塞栓をきたしやすい組織は皮膚、腎臓、中枢神経系、消化管です。症状は塞栓部位によるので多彩です。

腎機能障害(蛋白尿、血尿)

②皮膚症状

網状皮斑(リベドー libedo reticularis)

足趾が紫色に変化(足趾動脈の微小塞栓による有痛性の色調変化)

③その他、脳血管障害、心筋梗塞など

腎臓の予後は半数近くで透析に至り予後不良。

検査値

<尿>蛋白尿、血尿、

<血液>

  • 補体↓
  • 好酸球↑
  • ANCA偽陽性
  • クレアチニン↑
  • CRP↑
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血管炎のような臨床像

コレステロール塞栓が飛ぶと血管炎のような臨床像を呈します。腎臓の毛細血管にコレステロール塞栓が飛び、Ⅲ型アレルギーの機序で傷害されれば基底膜がやられ、蛋白尿、血尿がでることは想像できます。

【106D40】

72歳の男性1週前から続く両下肢の冷感と痛みとを主訴に来院した.1ヵ月前に不安定狭心症に対する冠動脈ステント留置術を受けた.15年前から糖尿病と高血圧症とで治療中である.喫煙は15本/日を50年間.体温36.6℃.脈拍84/分,整.血圧140/88mmHg.呼吸数18/分.両下腿に網状皮斑を認める.足趾にチアノーゼを認める.尿所見:蛋白(-),潜血(±).血液所見:赤血球380万,Hb 11.8g/dL,Ht 35%,白血球6,600(桿状核好中球5%,分葉核好中球60%,好酸球15%,単球5%,リンパ球15%),血小板26万.血液生化学所見:アルブミン4.0g/dL,尿素窒素42mg/dL,クレアチニン3.0mg/dL(冠動脈ステント留置術前:1.2mg/dL).免疫学所見:CRP 1.5mg/dL.リウマトイド因子〈RF〉陰性,抗核抗体陰性.CH50 19U/mL(基準30~40).下腿の皮膚生検のH-E染色標本を次に示す.
診断として考えられるのはどれか.

コレステロール裂隙

コレステロール裂隙

カテーテル治療後の腎機能障害、造影剤腎症、コレステロール塞栓を疑う。

好酸球増多→アレルギー反応を示唆。

補体の低下→Ⅲ型アレルギー

両下肢の冷感、痛み、網状皮斑→コレステロール塞栓、血管炎、ASO、Buerger病

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