ジカ熱はジカウイルスを持ったヤブカ属の蚊(ヒトスジシマカ 外に生息するので冬の時期はいない)に刺されることによって伝染る感染症。(イエカは媒介しない)
潜伏期間は3〜12日で、症状はデング熱と類似するが比較的軽い。
- 発熱
- 皮疹(9割程度にみられる)
<ジカ熱の症状>
潜伏期間 | 1週間以内に発症 |
皮疹 | 90% |
下痢 | 10% |
結膜充血 | 60% |
関節痛 | 60% |
咽頭痛 | < 5% |
熱帯感染症の場合は気道症状(鼻水、咳、咽頭痛)は無いことが多い。
ジカ熱は発症からすぐに発熱することが多い。
熱は38度5分未満であることが多い。(デング熱のように高熱ではない)
見逃さず正しく診断することが大切。
日本で危惧されているのはなぜか?
2016年夏、オリンピックがブラジルのリオデジャネイロで開催予定である。そのブラジルで流行しているのがジカ熱である。オリンピックは世界中から数百万人が訪れる為、ブラジルから世界各国にジカ熱を持ち帰ることになる。
妊婦がジカ熱にかかったら…
ジカ熱は症状はデング熱に類似するがそれよりも軽いとされる。
不顕性感染率は約80%で、痛みや発熱に対しても解熱鎮痛剤を投与する対症療法に留まることがほとんどである。
この中、WHOが緊急事態を宣言した。
ブラジルでは妊婦がジカウイルスに感染することで胎児が感染し、小頭症児が多発している報告がある。羊水中並びに小頭症で死亡した新生児の脳の病理組織からもウイルスが検出されていることからその関連性は確実であり、胎児に対する重篤なリスクが明らかになってきている。
「ジカウイルスに感染すると小頭症などの障害を招くリスクが50倍」
になるとも言われている。(1万人中95人)
「妊婦あるいは妊娠の可能性のある女性はジカ熱流行地への渡航を避けることが望ましい」
とされる。