デキサメサゾンは制吐剤として使われている
デキサメタゾン(商品名:デカドロン)は抗癌化学療法の制吐剤として使われています。
国立がんセンターの医師も下記のように言っているようです。
「デキサメタゾンは、化学療法の制吐剤として世界の標準治療になっている」
デキサメタゾンといえば...
デキサメタゾン(商品名:デカドロン)が化学療法の制吐剤として使われていることは自分にとって意外なことでした。
デキサメタゾンといえば....
Cushing症候群におけるデキサメタゾン抑制試験や胎児治療(胎盤移行性が高いためRDSの予防投与、副腎皮質過形成など)に使われるイメージがあったからです。
しかし、どこかでこのような話を聞いたことが有ります。
副腎皮質ホルモンが下がると嘔吐をきたす
つまり cortisol↓ = 悪心・嘔吐
のような関係式ですね。確かに
- 急性副腎不全(副腎クリーゼ)
- ステロイド離脱症状
- 副腎皮質機能不全(Addison病などなど)
上のような副腎機能が低下している、つまり副腎皮質ホルモンが低下している病態では症状として悪心嘔吐をきたします。
cortisol ↓ の状態では嘔吐をきたす
↓
cortisol の仲間(デキサメサゾン)を補充してやれば制吐剤として働く
このように考えればデキサメサゾン(商品名:デカドロン)が制吐剤として使われる理由がなんとなく理解できるかもしれません。
「cortisol ↓がなぜ悪心嘔吐に働くのか」は私にはわかりません(電解質?)
どなたかご存じの方教えてください。
コメント
『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン(2011年版)』によると、
『嘔吐に対する作用機序は不明であるが、延髄におけるGABAの枯渇、血液脳関門の透過性の減少、脳幹におけるエンケファリンの放出抑制、中枢性プロスタグランジンの産生抑制、セロトニンの産生放出抑制が推察されている。』
とのことです。
残念ながら学生レベルで、すっきり理解しやすい機序ではないようですね。
ガイドラインまで参照いただいたのですね。
ありがとうございます。
まだまだ解明されていないことがたくさんありますね。
学生レベルでは、エビデンスや細かい機序云々は一旦置いといて、自分が納得できる形で覚えてしまうことが正義だと私は思います。
『コルチゾールが不足する疾患で嘔気嘔吐が発生する』という原則を1つ作っておき、そこから応用を利かせるというのは、汎用性が高くとても素晴らしい勉強法だと私は思いました。