ニューモシスチス肺炎は免疫能の低下により引き起こされる日和見感染症の一つでPneumocystis jiroveci が原因です。
間質性肺炎、早期から著名な低O2血症(PaO2 < 70 Torr、A-aDO2開大)を呈するが特徴です。
検査所見としては
- リンパ球減少
- CD4陽性細胞数の著減
- β-D-グルカンの著増
を認めます。
AIDSが起因になるニューモシスチス肺炎では、若い男性が持続する乾性咳嗽、労作性呼吸困難で受診し、胸部Xpですりガラス陰影、舌に白苔(口腔カンジタ症)を呈するが典型的な臨床像です。
気管支肺胞洗浄液(BAL,TBLB)のGrocott染色でニューモシスチスを確認します。
ニューモシスチスは真菌の一種と考えられています
免疫能の低下って?
ニューモチスチス肺炎は主に細胞性免疫が低下するような状態
- AIDS
- 免疫抑制状態
- ATL
他には抗TNF-α抗体などの生物学的製剤の使用、血液腫瘍・骨髄移植などの様々な免疫不全状態が発症の危険因子で、このような場合にはST合剤の予防内服が必要です。
CD4陽性細胞数の著減は細胞性免疫の低下を示します。
間質性肺炎の症状
呼吸困難、乾性咳嗽を呈します。
間質性肺炎のマーカーにはKL-6があります。
胸部Xpでは肺門部から両肺に広がる中心性のスリガラス~斑状陰影が典型的です。
治療薬
ST合剤(スルファトメトキサゾール/トリメトプリム)が第一選択。
secondはペンタミジンです。