パーキンソン病(PD:Parkinson Disease)とレビー小体型認知症(DLB:Dementia with Lewy bodies)は同一スペクトラムの疾患です。
これらの疾患はレビー小体が蓄積する疾患(レビー小体病)で、Lewy小体がどこをメインに蓄積するかによって症状が異なるので別疾患として扱われています。つまり、以下のような違いにすぎません。
黒質、基底核の障害が目立つ場合にパーキンソン病と診断され
大脳皮質の障害が目立つ場合にレビー小体型認知症と診断される
同一スペクトラムにあるというのは、以下の知識と結び付けられます。
- レビー小体型認知症がパーキンソニズムを呈すること
- パーキンソン病の患者が経過に伴い認知機能障害を呈すること
両者の臨床症状はともに重複・合併は十分ありうるということです。特に、後者のパーキンソン病として経過を見ていた患者に認知機能障害を認めることはよくあり、その場合「パーキンソン病に合併した認知症」(PD with Dementia)と言いますが、これはレビー小体型認知症と本質的には異なる病態ではありません。
パーキンソン病とレビー小体型認知症の初期症状として嗅覚障害が近年注目されています。これの理由としてLewy小体が消化管や嗅神経に最初に出現し、パーキンソニズムや認知障害が出るのはかなり進行した段階であると考えられています。またLewy小体は全身に広く検出されることから全身疾患であるとも考えられるようになっています。