メトロニダゾールは日本では商品名:フラジールで知られる薬。その対象は原虫を始めとして幅広い適応になっている。
- 赤痢アメーバによる疾患(赤痢アメーバ性肝膿瘍、赤痢アメーバ性大腸炎)
- Clostridium difficile による偽膜性腸炎を始めとした大腸炎
- トリコモナスなどの原虫感染症(ex. 膣トリコモナス症)
- 嫌気性菌感染症
- H.pyloriの二次除菌
赤痢アメーバは原虫である
赤痢アメーバという原虫が人の糞便中に排出され、それに汚染された飲食物などを食べたりすることで口から感染する。(経口感染)
注意:赤痢菌が原因の「赤痢」とは異なる
C.difficlile による偽膜性腸炎には従来、経口バンコマイシン内服が標準であったが
- 耐性菌(バンコマイシン耐性腸球菌)増加のリスクがある
- バンコマイシンが高価である
ヘリコバクターピロリの除菌は通常PPI+抗菌薬2剤で行い、
PPI + アモキシシリン + クラリスロマイシン
が初回治療(1次治療)である。以前は除菌率は9割近かったが近年、クラリスロマイシン耐性菌により除菌率が下降している。初回治療で除菌されなかった場合の再除菌治療(2次治療)としてクラリスロマイシンの代わりにメトロニダゾールが用いられる。
<参考>