伝染性紅斑(リンゴ病)って?
伝染性紅斑(リンゴ病)はヒトパルボウイルスB19によるウイルス感染症であり、小児期に罹患することが多い。成人でも小児に接触する機会の多い職業の人で流行することがある。
妊娠時に伝染性紅斑に感染すると経胎盤感染により胎児水腫の引き起こす危険があるので、妊婦は感染しないように気を付ける。
胎児水腫は胎児死亡につながるので甘く見てはいけない。
伝染性紅斑(リンゴ病)で胎児水腫になる機序
伝染性紅斑の原因ヒトパルボウイルスB19は赤芽球に感染し、急性赤芽球癆(脊髄にある赤血球の前身を破壊)を引き起こす。
酸素の運び手である赤血球が破壊されるので、重度の貧血を呈する。
運び手がいないことで、今までと同じ心拍出量だと体の酸素需要にこたえられず、心臓が頑張るがそれでも足りず心不全に陥り、胎児水腫をきたす。
<伝染性紅斑による胎児水腫の機序>
ヒトパルボウイルスB19感染(飛沫感染。小さいお子さんからうつされる)
↓
経胎盤感染(約30%)
↓
赤芽球癆
↓
重度貧血
↓
心不全
↓
胎児水腫
ヒトパルボウイルスB19だけではない
感染症による胎児水腫はヒトパルボウイルスB19の他にサイトメガロウイルス(CMV)がある。
ちなみに、胎児水腫の原因のひとつにRh因子不適合妊娠があり、Rh因子不適合妊娠による胎児水腫を免疫性胎児水腫といい、それ以外を非免疫性胎児水腫という。