僧帽弁は心臓の弁の中で最も圧がかかる弁です。ここでは僧帽弁閉鎖不全症(MR:mitral regurgitation)の原因を紹介します。
僧帽弁閉鎖不全症の原因
以前はリウマチ性の病変が多かったですが、現在は激減しています。リウマチ熱による弁膜症はMS(僧帽弁狭窄症)の合併が多いです。
僧帽弁は腱索により乳頭筋とつながっており、収縮期に乳頭筋が収縮することで収縮の際の強い圧力(収縮期血圧)に負けないよう僧帽弁を支えています。
ですので、僧帽弁閉鎖不全症をきたす原因は弁膜そのものだけではなく、弁を支える乳頭筋などの支持組織の障害も含まれます。
器質的病変による原因
<器質的病変>
- リウマチ性病変(MSの方が多い)
- 心内膜欠損(ECD)、Marfan症候群
- 感染性心内膜炎(IE)
- 外傷性
Marfan症候群と弁膜症について
Marfan症候群は常染色体優性遺伝(AR)の形式をとる全身の結合組織に異常をきたす疾患です。細胞間接着因子は組織の強さや弾性の元なるのでこれらが異常になると、
全身にさまざま症状をきたします。特に弾性線維などは負荷の強い
心血管系に多く存在します。
よく心臓のことをポンプと表現することが多いですが、そのポンプから送り出されるホース(大血管)も柔軟性をもつことは想像できるでしょう。
組織的には大血管を構成する内膜、中膜、外膜のうち中膜が弾性線維に富んでいるのでMarfan症候群では
中膜が先天的に脆弱です。
<本題 Marfan症候群と弁膜症>
Marfan症候群に合併する弁膜症としてはMRよりも
が有名です。
MRはMVPから病期が進行したものと覚えるといいかもしれません。
Marfan症候群での大動脈解離も重大な合併症だったね
支持組織の病変によるもの
- 腱索・乳頭筋の断裂(下壁梗塞、リウマチ熱、感染性心内膜炎、外傷によるもの)
- 乳頭筋機能不全症(主に虚血性心疾患による)
- 僧房弁逸脱症
下壁梗塞による「2週間以内の」合併症として乳頭筋断裂がありましたね。
心筋梗塞は冠動脈血流の急激な減少により心筋が壊死した病態です。急性心筋梗塞の治療で大切なことは発症早期に冠動脈を再開通させることです。(再灌...
相対的閉鎖不全
拡張型心筋症は弁輪の拡大による閉鎖不全で、その他は左室の収縮異常などによるものです。
臨床実習の傍ら、Webサービスを運営している医学生。将来の夢は学校をつくること。琴線を記録するサービス kotonohaを製作しました。(俺、この戦争が終わったらスタートアップするんだ...)
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