浮腫には
- 全身性浮腫
- 局所性浮腫
全身性浮腫をきたす原因
腎性
代表的なものがネフローゼ症候群。その他、急性腎炎の乏尿期。乏尿性急性腎不全、慢性腎不全乏尿期
ネフローゼはアルブミンを中心にした血漿蛋白の漏出により膠質血漿浸透圧の低下を引き起こし、血管内にNaを引き寄せることができなくなり、血管外にNaが漏出し浮腫を引き起こす。
その他は、尿を濾しだすことができなくなることによる循環血漿量の増加が原因で全身性の浮腫を起こす。
心不全
胸部X線にて心陰影の拡大(CTRの拡大)、肺うっ血、胸水貯留をきたす。
うっ滞による静脈還流が停滞し、静脈圧が上昇し浮腫を生じる。
肝硬変・肝不全
門脈圧亢進、低アルブミン血症、二次高アルドステロン血症により全身性の浮腫を生じる。非代償期の肝硬変では腹水、胸水および全身性の浮腫を生じる。
局所性浮腫
静脈あるいはリンパ還流の障害による浮腫。
静脈性浮腫
- 上大静脈症候群による上肢の浮腫
- 深部静脈血栓症による片足の浮腫
リンパ性浮腫
リンパ節郭清や臓器圧迫によって生じる。皮下に間質液が貯留し、固く圧痕を残さない浮腫(non-pitting edema)になる。
術後のリンパ節郭清の合併症である。