小児の脱水について
小児は脱水になりやすい。(特に、新生児から乳児)
原因として多いのは嘔吐と下痢。経口補液をしても吐くので、基本的に点滴がメインの治療になる。
小児の輸液について
カリウムフリーの初期輸液→利尿がついたら維持輸液
これが原則。
初期輸液について
小児科外来で最も使用されているのが1号液
<一号液の組成>
Na 90mEq/l
K 0mEq/l
Cl 70mEq/l
乳酸 20mEq/l
ブドウ糖 2.6%
一番のポイントは
K freeであること!
成人でも高度の高K血症(>7 Eq/l くらい)では致死性不整脈を起こす危険がある。小児では、元々の体液量が少ないうえ、脱水時には尿が出ない(もしくは減少)ため、すぐに高K血症をきたし、危険な状態になりうる。
ショックを起こしている場合は、生理食塩水を入れる。
<生理食塩水の組成>
Na 154mEq/l
K 0mEq/l
Cl 154mEq/l
K free(絶対!) かつ Na濃度が一番高いのでショックの是正に最適。
維持輸液について
維持輸液 = 脱水量 + 維持量
維持量とは、経口摂取不可能な場合の生命維持に最低限必要な水分量のこと
児の体重をx gとすると
0~10kgの児では 100ml/kg/day
10~20kgの児では 1,000 + 50(x-10) ml/kg/day
20~30kgの児では 1,500 + 25(x-20) ml/kg/day
脱水量はどうやって計測?
体重減少で測る!
小児の脱水をみたら、輸液の前に必ず体重測定を行う。
体重減少率が10%を超えていたら緊急度が高いと判断すべき。
コメント
医師国家試験110A54ではKを4mEq/ℓ入れてますね
それくらいなら許容できるみたいです
なるほど。正常な体液の濃度と同じ濃度であればOKということですね。
勉強になります。