PTHの作用
血中Caを上昇させるホルモン
PTH:parathyroid hormone または parathormone(パラトルモン) は、Caの代謝に大きく関わっています。Caは重要な電解質であるため、PTH、活性型ビタミンDにより厳重にコントロールされています。
PTHの最終的な作用は血中のCa濃度を上昇させることです。
詳しく言うと
- Ca↑、P↓
- 代謝性アシドーシス
の2点がポイントです。
Caは増加、Pは減少
PTHは
- 血中Ca↑
- 血中P↓
の方向に作用します。通常は、CaとPは相関関係にあります。PTHはCaとPを乖離させるめずらしい作用です。

作用部位・詳細
PTHの作用部位は骨と腎臓です。
作用 |
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全て血中のCa2+濃度を上昇させる方向に働いていますね。活性型ビタミンDは小腸でのCa吸収を亢進させるため、これも血中Ca濃度を上昇させる方向に働いています。
PTHは代謝性アシドーシスに傾く
PTHはCaをあげるのが最終目的です。骨を破壊して動員したCaがアルブミン結合しては意味がありません。そこで、代謝性アシドーシスを引き起こしアルブミンとCaを乖離させ、free Ca2+を増加させる。
PTHの作用まとめ
- Caを上昇させるホルモンである
- 破骨細胞を活性化させて骨からCa、Pを動員させる
- Pは必要ないので近位尿細管での再吸収を抑制して排泄する(逆さCaP)
- 動員したCaがアルブミンと結合しては意味が無い
- HCO3-を排泄することで代謝性アシドーシスを引き起こす
- 代謝性アシドーシスに傾くとアルブミンとCaが解離