多形滲出性紅斑とStevens-Johnson症候群

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多形紅斑は多形滲出性紅斑とも言い、紅斑(erythema)の一種です。多くの場合、手背や四肢伸側部、関節部に好発します。若年~中年の女性に多い傾向にあります。

多形紅斑

画像1(クリックして拡大)

  • やや隆起する環状浮腫性紅斑(境界明瞭)
  • 中心に陥凹や発赤の増強(target lesion)
  • 数日にわたり存在し、新旧混在→地図上に融合する
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target lesion

target lesion は特徴的ですので是非抑えたいところですね。target = "的"ですね。これは時間経過とともに紅斑が拡大・進展していることを示唆します。年輪のように何層にもなることもあります。中心部(古い病変)が茶色や薄い色でその周り(新しい病変)が赤になるんですね。

原因

感染症や薬剤に対するアレルギーが主な原因です。

  • 単純ヘルペス(最多)
  • マイコプラズマ
  • 溶血性連鎖球菌など

重症型に注意

皮膚症状(紅斑)のみで終わればよいですが、中には粘膜疹や全身症状(高熱、関節痛)などを伴い重症型へ移行することがあります。重症型として薬剤が原因となりやすいStevens-Johnson症候群とTEN(Toxic epidermal necrolysis)があります。

  • 多形滲出性紅斑
  • Stevens-Johnson症候群
  • TEN
これらは同一直線上にあると認識すべきでしょう。Stevens-Johnson症候群について簡単に書きます。

Stevens-Johnson症候群

多形滲出性紅斑の重症型である

多形滲出性紅斑では、全身症状はありません。Stevens-Johnson症候群は全身型で発熱や関節痛を伴い、特に粘膜病変、眼病変が特徴的です。また四肢伸側のみならず顔面や体幹にも滲出性紅斑を認めます。

多くは薬剤が原因であることから

Stevens-Johnson症候群は重症型薬疹

と覚えておきましょう。

atypical target lesion

多形滲出性紅斑は水疱や出血を伴うことが多く、典型的なtarget lesionとは異なります。これをatypical target lesionといいます。

所見pick up

皮膚粘膜移行部のびらん、眼科的所見、38℃以上の発熱、atypical target lesionは診断基準にも含まれている大切な所見です。

  • 排尿時、排泄時痛
  • 目が痛くて開けられない

などの症状があり、治療が遅れると失明の危険があります。

治療

早期診断・早期治療が予後の改善につながります。

診断されたらただちに入院してステロイド全身投与、眼科コンサルトを行います。原因に疑われる薬剤があれば直ちに中止します。

引用先

画像1:http://ota.on.arena.ne.jp/pediatrics/eem.html

臨床実習の傍ら、Webサービスを運営している医学生。将来の夢は学校をつくること。琴線を記録するサービス kotonohaを製作しました。(俺、この戦争が終わったらスタートアップするんだ...)
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