Parkinson病に特徴的な安静時振戦を理解する

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パーキンソン病は、パーキンソニズムと言われる4大症状

  • 安静時振戦
  • 筋強剛
  • 無動
  • 姿勢反射障害
が認められるが、Parkinson病以外にも、パーキンソニズムをきたす疾患がある。それらを総称してParkinson症候群という。この2つは治療法が異なるため鑑別が重要である。今回は、Parkinson病に特徴的である安静時振戦について書く。

典型的な安静時振戦はParkinson病に特徴的

安静時振戦は、手を膝の上において、リラックスした状態が最も出現しやすい。安静時(じっとしている時)にのみ出現するが、動作時に消失する。(しかし、発症から数年経過すると姿勢時や運動時にも出現するようになる。)

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左右差があり、主に四肢に出現する

「左手が震える」など一側の振戦を訴えることが多い。母指に強い傾向があり、錠剤を丸めているような動きを繰り返している。この手指をすり合わせるような特徴的な動きを pill(錠剤)をrolling(転がす)ような振戦であることからpill-rolling tremor という。

pill-rolling tremor

振幅は大きく、周期は遅い(5〜7Hz)

つまり、大きく遅い振戦である。振幅と周期は"視診での印象"をつかむ上で重要で、Parkinson病に見られる振戦は比較的遅く(5~7Hz 前後)で粗大(coarse tremor)であるのに対し、本態性振戦などでみられる振戦は速く(10~12Hz)で、微細(fine tremor)である。

部位

振戦は、下肢にも見られるが、頸部に見られることはあまり多くない。頸部の振戦は縦方向の肯定振戦であることが多い。

精神的緊張により増強するが、意識すれば止めることが可能

安静時振戦は患者が意識したり、診察しようとすると止まることが多い。

暗算負荷で誘発させる

患者に手を膝の上に置いて閉眼してもらい、「100から7を引くといくつですか?」「さらに、7を引くといくつですか?」と次々に質問すると、振戦が明瞭になることが多い。

Parknson症候群での振戦

Parkinson症候群での振戦は、それほど粗大であることが多く、左右差も目立たない。

"安静時"振戦が見られればParkinson病

"安静時"振戦を正しく理解すれば、Parkinson症候群との鑑別に役立つことがわかる。pill-rolling tremorのような特徴的な安静時振戦が見られれば、まずParkinson病と考えて間違いない。

まとめ

安静時振戦を理解する

  • Parkinson病はParkinson症候群との鑑別が重要
  • 鑑別点の一つに安静時振戦がある
  • 手を膝の上においてリラックスすると出現しやすい
  • 左右差があり、主に四肢に出現
  • 振幅は粗大で周期は遅い
  • pill-rolling tremor は特徴的
  • 意識すれば止めることが可能
  • 精神的緊張(暗算負荷)で増強する
  • 安静時振戦が認められればPakinson病と考えて間違いない

臨床実習の傍ら、Webサービスを運営している医学生。将来の夢は学校をつくること。琴線を記録するサービス kotonohaを製作しました。(俺、この戦争が終わったらスタートアップするんだ...)
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