強化インスリン療法とは?従来のインスリン療法との違い、持続皮下インスリン注入療法の紹介

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強化インスリン療法って?

強化インスリン療法とは、自己血糖測定の結果を元に、医師の指導のもとに患者自身がインスリン注射量を調節し、良好な血糖コントロールを目指す治療法。

※「インスリン強化療法」ではないので注意。

投与方法には、インスリン頻回注射療法(MDI)と持続皮下インスリン注入療法(CSII)がある。

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従来のインスリン療法との違いは?

従来のインスリン療法は1日1〜2回決まった量のインスリンを投与する。

それに対し強化インスリン療法では、頻回または持続的にインスリンを注入する。

くみちょう
頻回って?
えさきち
厳格な定義はありませんが、少なくとも3回以上と思ってよいでしょう。

回数も大切かもしれないが、生体内でインスリンが分泌される場面を思い浮かべて欲しい。

血糖を一定に保つためにグルカゴンと拮抗して常時出されているインスリン(基礎分泌)と食後の血糖上昇に伴って分泌されるインスリン(追加分泌)である。

食事の質、量によって血糖の上昇幅はまちまちである。健常では血糖の上昇に応じた量のインスリンが分泌し、作用し細胞内に取り込んで血糖を正常値に戻すわけである。(食べれば食べるほど蓄える…つまり太る)

糖尿病患者の体ではその調節が出来ないため、自己血糖測定でその上昇幅を見ながらインスリン量を調節して何回も注射し血糖コントロールを測るのである。(強化インスリン療法)

えさきち
糖尿病で作用不足しているインスリンを適切なタイミングで適量補充するので生理的ですね。故に、次に紹介するBOTよりも効果は高く、生理的です。手間はかかりますけど…

BOTと区別しよう

経口血糖降下薬とインスリンの併用はBOTである

2型糖尿病の治療においては、

SU薬などの経口血糖降下薬で血糖コントロールが不十分な場合に、持効型などの基礎インスリンを併用するBOTを行う
BOTの略

BOTは基礎分泌は"外から"補充してあげて、追加分泌は膵臓から(内)のインスリン分泌でまかなう形である。

それでも血糖コントロールが不十分な時は追加インスリン(超速効型)を1回投与を加え、不十分であれば2回に増やす。

それでも不十分であれば

基礎インスリン+追加インスリン3回の強化インスリン療法を行う
えさきち
なぜ、BOTまで言及して説明したのかというと、治療の順序や流れをイメージして欲しかったからです。インスリンを併用するとしてもまずは基礎インスリンのBOTだと…

強化インスリン療法は最後の手段!

と思っておこう!(厳密には、早期にインスリンを積極的に導入することで合併症の予防など良い効果もあります。)

インスリン療法は注射であるからもちろん患者にとって経口よりも負担増である。

経口血糖降下薬でもうまくいかない。だからインスリン療法も併用して…と考えると心理的にも治療的にもしっくりくる。

BOT(基礎インスリン[持効型]+経口血糖降下薬)

↓(コントロール不良)

追加インスリン投与[超速効型]

↓(コントロール不良)

追加インスリン3回以上(強化インスリン療法へ…)

持続皮下インスリン療法(CSII)

強化インスリン療法の投与方法の一つで、専用のインスリン注入ポンプを使用して持続的に(超)速攻型インスリン製剤を皮下に注入する方法。

インスリン頻回注射よりさらに正常に近いインスリン分泌動態を再現できる。

<インスリンポンプ>

糖尿病ネットワークより引用

引用 http://www.dm-net.co.jp/pumpfile/

<適応>

  • 手術前後の血糖コントロール
  • 糖尿病合併妊娠
など厳重な血糖コントロールが必要な症例に適応になる。

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