乳幼児期に呼気性喘鳴をきたす疾患の鑑別で急性細気管支炎と喘息がある。
急性細気管支炎と小児喘息の鑑別
急性細気管支炎 | 小児喘息 | |
好発年齢 | 4か月前後の乳児 | それ以外、3~5歳の小児 |
アレルギーの病歴 | なし | あり |
原因 | RSウイルスによる細気管支の浮腫 | アレルギーによる細気管支の浮腫 |
浮腫の成因 | 炎症による | 好酸球の集積 |
検査 | 軽度の炎症所見 | 血清IgE 上昇(+)
鼻汁好酸球(+) |
治療 | 酸素投与と加湿…※ | <発作時>
短時間作用型吸入β2刺激薬など |
※抗RSウイルス抗体(パリビズマブ)が予防のため月一回の筋肉注射が保険適応
まず年齢でざっくりみる
どちらも病態は似てるので、呼気性喘鳴をはじめとした喘息様の症状だけでは見分けがつかない。
<喘息様症状>
- 呼気延長
- 呼気性喘鳴
- 呼吸数↑
- 胸部エックス線にて肺の過膨張
ここでまず頼りになるのが年齢だ。
4か月前後の乳児であれば急性細気管支炎をまず疑う。
RSウイルスに対する迅速キットを使い判定する。
なぜ「呼気性」喘鳴が起こるのか?
細気管支の狭窄が起こるから。
RSウイルスによる炎症性浮腫によるものなか、アレルギーによる好酸球浸潤によるものなのか、細気管支の狭窄の成因が異なる。
RS virus: Respiratory syncytial virus