急性膵炎では膵管内圧の上昇により膵酵素の逆流により自己消化や隣接する臓器を消化してしまい急激な上腹部通、発熱、循環血漿量の低下(ショック)などをきたすものです。
原因としては
- アルコール
- 胆石
- 腹部外傷
- ERCP
- 脂質異常症(高カイロミクロン血症)
- 膵胆管合流異常
男性はアルコール、女性は胆石が代表的です。
膵臓の腺房細胞まで傷害されるとトリプシンなどの消化酵素が漏出し、そのトリプシンがエラスターゼやリパーゼを連鎖的に活性化してしまい、血管透過性が亢進し、循環血漿量の低下(ショック)をきたします。
膵臓の消化酵素によって壊死した脂肪組織から遊離した脂肪酸にCaが取り込まれるため、血中カルシウム濃度は低下します。血中Ca濃度は予後予測因子の1つとしても用いられていることもポイントです(7.5mg/dl以下 で予後因子の1点)
循環血漿量の減少と低Ca血症の組み合わせは急性膵炎に特徴的
血中Ca濃度の基準値は 8.6~10.2 mg/dLです。血中Ca濃度が低下しすぎるとテタニーの原因にもなります。