悲しい事実、日本人は糖尿病になりやすい。そのキーワードはインスリン分泌能にあった

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キーワードはインスリンにあった

残念ながら日本人(アジア系人種)は糖尿病になりやすいと言われています。

みなさんの糖尿病患者のイメージは暴飲暴食し、ブクブクに太ってしまった人でしょうか?

難しい話の前に下の2つの写真を御覧ください。

画像1

画像1

画像2

どちらも肥満の方ですね。

太り方の質が違うと思いませんか?

アメリカンサイズだからではありません。日本人が上のように太れないのには理由があるのです。

それはインスリン分泌能の違いです。

インスリンは血糖を下げるただひとつのホルモン

なのは皆さんご存知でしょう。血糖を下げるとはどういうことでしょうか。糖はどこにいくのでしょうか。

インスリンが分泌されるときは血糖が高い時です。エネルギー源である糖が過剰にある状態は生物にとってエネルギーを貯めるチャンスでもあります。筋肉や肝臓、脂肪組織などに貯蔵して、エネルギーが不足した時に備えようとするのです。そのトリガーとなるのがインスリンで、インスリン筋肉や肝臓、脂肪組織などほぼ全ての細胞に働き糖を取り込みます。さらに糖が余っていれば沢山貯蔵できるようグリコーゲンの形に圧縮保存したり、高エネルギー源になる脂肪を合成したりします。

まとめると血糖を下げるということは、貯蔵庫に取り込んでまとめて保存したり(グリコーゲン)、エネルギー効率のいいモノ(脂肪)に変えて保存することなんです。

インスリンはエネルギーの貯蔵に関わるホルモン

と言えます。

インスリンを分泌できる量は個人差、人種差があります。多くの欧米人はインスリン分泌能がタフであるため、多量の糖質を摂取し続けても、それに見合ったインスリンが分泌され糖を脂肪に変換して貯蔵できることができます。それゆえ日本人には見られないほど太ることができるのです。

インスリンが忙殺される時代

生物のエネルギーを蓄える賢い仕組みは、飽食の現代では過剰に働いてしまっています。これは常に飢餓に晒されていた人類の歴史において異常な状態です。稀に過剰な糖分を摂取した時にだけ呼ばれる存在であったインスリンは、現代では膵臓が疲弊するほど分泌されています。

そして、過剰なまでに分泌され続けエネルギーを蓄えていった結果、人は肥満になります。

インスリンは肥満に関わるホルモン

といえるでしょう。

誤解してほしくないことはインスリンは決して悪者ではないことです。残念ながらインスリンが肥満の元凶であり、悪者であるような言い回しを時折見かけます。(生きる為にインスリンが必須の患者さんもいらっしゃいます)

またインスリンは血管を守っています。生物にはそれぞれの適正な血糖値があり、高すぎる血糖は血管内皮障害を起こし、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病の下地になります。インスリンは非常に重要なのです。

日本人は糖尿病になりやすい

欧米人はインスリン能がタフであるがゆえに、とても太ってしまうことは上に書いたとおりです。

とても太ってしまうのですが、血糖値を正常化できる分だけのインスリンが分泌されている間は糖尿病になりません。しかし、日本人はインスリン分泌能が弱いので、そこまで太る前にインスリン分泌障害を起こして糖尿病になってしまうのです。

日本人に多いのはインスリン分泌障害優位の2型糖尿病です

軽度肥満ではあるがインスリンが不足している日本人

ブクブク太っているがインスリンは足りている欧米人

見た目では高度肥満体の欧米人が不健康そうに見えますが、糖尿病の観点から言うと日本人が不健康である可能性があるのです。

「すぐ太ってしまう」という人はインスリンが正しく分泌されているとも言えます。

しかし、日本人の太れる上限はすぐそこにあり糖尿病になりやすいことの理解は必要です。

食を見つめ直し健康な人生を送っていただければと思います

引用先

画像1: http://www.radioaustralia.net.au/international/sites /default/files/imagecache/ra_article_feature/images /2013/10/23/obesity.jpg

画像2:ぱくたそ

臨床実習の傍ら、Webサービスを運営している医学生。将来の夢は学校をつくること。琴線を記録するサービス kotonohaを製作しました。(俺、この戦争が終わったらスタートアップするんだ...)
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