腎臓は老廃物や毒素を尿として体外に排出したり、必要な電解質を再吸収したり過剰な電解質を体外に分泌したりして恒常性を保つ重要な臓器です。
慢性腎不全では電解質のバランスが崩れます。ここでは慢性腎不全における電解質バランスの変化とその覚え方を紹介します。
<慢性腎不全の電解質変化のゴロ>
捨てられないMgKP(マグカップ)
「捨てられない = 上昇」という図式です。加えて慢性腎不全では低Ca血症をきたすことがポイントです。これはMgKP以外 => Ca は低下とおぼえてもOKです。
ゴロや暗記に頼らない覚え方を身につけよう
<慢性腎不全の電解質の変化>
低下するもの | 上昇するもの |
Na
Ca |
K
Mg P |
まずこのように捉えてみましょう。(※ただし、Naは→のこともある。)
慢性腎不全になると活性型ビタミンDの産生が低下します。ビタミンDが欠乏すると低Ca血症をきたします。また糸球体濾過量(GFR)が低下することにより、Pの排泄が不十分になり、高P血症をきたします。
- ビタミンD欠乏 → 低Ca血症
- GFR低下→ 高P血症
- 希釈性低Na血症
そうだね!基準値を見てみようか。
高いグループ | 低いグループ |
Na 140前後
Cl 100前後 Ca 8.5~10 |
K 4前後
P 2.5~4.5
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ざっくりと基準値が低いグループが慢性腎不全では高くなると覚えるのもありだ。体に適正な濃度があるから"絶対値の高い低い"の問題ではないんだけれどね。でもNaとKの3の違いじゃ全然違うよね?高K血症は致死的な不整脈につながるし、元々低い電解質は腎臓の調節が馬鹿になってしまうと命に関わるって考えれば腎臓のありがたみが分かるかも。