スタチン系薬剤(高LDLコレステロール血症の治療薬)またはフィブラート系薬剤(高TG血症の治療薬)を投与中の患者で最も気をつけるべき重大な副作用は横紋筋融解症です。このためスタチンには最高用量が定められています。LDLのコントロールが不十分なとき、スタチンの量を増やすよりも他の高コレステロール血症の治療薬(小腸コレステロールトランスポーター エゼチミブなど)と併用する方が効果があります。
頻度は非常に低い(0.02 ~ 0.03%)ですが、治療が遅れれば死の恐れがあります。全身倦怠感、筋肉痛、乏尿が出現した場合はまず横紋筋融解症を考えます。
早期発見が重要で、そのためにはリスクを予め把握し適切に服薬指導する必要があります。
- 腎障害患者
- 激しい運動する人
- フィブラート薬剤との併用
以上の人は特に横紋筋融解症などの副作用が発生しやすくなるため注意が必要です。
<服薬指導>
「筋肉痛や紅茶色の尿がでる、脱力感、足がつるなどの症状がでたらすぐに連絡してくださいね」
また
横紋筋融解症は急速な骨格筋の融解、壊死が生じ、血中に筋細胞成分が漏出し、急性腎不全をきたします。疑った場合には、血清CKの測定が重要になります。急性腎不全の程度を知るためには血清クレアチニンの測定が必要です。