このページではRAA系関連疾患である
- Liddle症候群
- 原発性アルドステロン症(PA)
- 続発性アルドステロン症
- 大動脈炎症候群(高安病)
- Bartter症候群
- Gitelman症候群
まずは表で整理してみる
レニン | Ald | 血圧 | 血中K | |
Liddle症候群 | ↓ | ↓ | ↑ | ↓ |
原発性アルドステロン症 | ↑ | |||
続発性アルドステロン症 | ↑ | |||
大動脈炎症候群 | ||||
Bartter症候群 | → | |||
Gitelman症候群 |
解離が起きるPA
まずこの中で、レニン、アルドステロンの解離が起きている疾患が一つだけあります。
それは原発性アルドステロン(PA)です。通常はアルドステロン分泌はレニンに支配されているので相関関係にあるはずです。しかし、副腎皮質が腺腫や過形成し、アルドステロンが過剰に分泌される原発性アルドステロン症ではレニンはアルドステロンにネガティブフィードバックを受けるので、血症レニン活性は低下します。
まとめると、
続発性アルドステロン症によるもの
続発性アルドステロン症は何らかの原因により腎動脈狭窄や循環血漿量が減少し反応性にレニン分泌亢進し、アルドステロン産生増加をきたします。
大動脈炎症候群、Bartter症候群、Gitelman症候群も続発性アルドステロン症の一つです。
レニン | Ald | 血圧 | 血中K | |
続発性アルドステロン症 | ↑ | ↑ | ↑ | ↓ |
大動脈炎症候群 | ||||
Bartter症候群 | ↓ | |||
Gitelman症候群 |
大動脈炎症候群症候群に関しては、説明のため分けました。
大動脈炎症候群(高安病)は若年~中年(15~35歳)女性に好発する原因不明の動脈炎で、大動脈やその分枝などで炎症が起きます。腎動脈に炎症が生じて狭窄をきたした場合は、腎血流が減少し、レニン分泌が亢進し腎血管性高血圧をきたします。
一方、Bartter症候群、Gitelman症候群は続発性アルドステロン症なのに血圧は正常なことが多い疾患です。
低K血症は腎臓で合成されるプロスタグランジンの産生を誘導し、その降圧作用によりRAA系の昇圧作用が相殺され血圧は正常に保たれると言われています。
詳しくはこちら。
http://kumicho.asia/bartter%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4-802.html