流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はmumps birusの飛沫感染による感染症で、幼児期(年長さんくらい)に好発する。
<エピソード>
流行性耳下腺炎の合併症
流行性耳下腺炎の合併症には
- 無菌性髄膜炎(1~10%)
- 膵炎(4%)
- 精巣炎(15歳以上の男子、20%)
- 卵巣炎
- 一側性感音性難聴(中耳炎合併[-]、2000人に1人…※)
精巣炎、卵巣炎は不妊の原因になる。
無菌性髄膜炎
エピソードの頭痛・嘔吐は髄膜炎による髄膜刺激症状である。
ウイルス性髄膜炎が重症化することは多くはないが、髄膜炎の鑑別のため髄液採取(ルンバール)を施行する。
嘔吐が強く見られるが治療法は対症療法のみである。補液で凌ぐ。
膵炎
膵炎も重要な合併症の一つである。上腹部痛は膵炎を疑わせる症状である。
流行性耳下腺炎の検査では血中・尿中アミラーゼ値を測定し、上昇を確認するが、これは耳下腺炎を反映したものであり、膵炎の指標にならないことを注意する。
難聴
これまで1〜2万人に一人とされてきた、流行性耳下腺炎による難聴だが、細菌のstudyによるともっと確率が高い(2000人に1人)である可能性がでてきた。
現在は任意接種だが、これからは予防接種必須の流れになると予想される。