甲状腺悪性腫瘍の90%強が乳頭癌で、徐々に低分化なものが生じ、極めて緩徐に進行する。5年以上かけて、リンパ節転移やは肺への転移をきたすことも多い。
また甲状腺悪性腫瘍のうち、乳頭癌と濾胞癌は非常に「おとなしい」経過を辿ることが特徴です。年単位の経過で再発することがあるので、手術から5年経過しているからといって再発は否定できません。
65歳女性。57歳時に甲状腺悪性腫瘍の手術を受けた。10ヶ月前から前頸部腫瘤が出現し数を増やしながら増大してきた。
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8年の経過でリンパ節転移で再発を考える。増大の状況(10ヶ月前から数を増やしながら増大)から低分化型のリンパ節転移が疑われる。乳頭癌と濾胞癌のうち、頻度から考えれば乳頭癌が可能性が高い。