まずは定義を正しく覚えましょう。
定義
紅と紫なら色で見分けがつくではないか?と思うかもしれませんが、色を見て紅班、紫斑と判別しているわけではありません。
硝子圧法
透明な定規のようなもの(定規で十分ですが)を使って、押して消えれば紅斑、消えなければ紫斑です。これは定義を押さえておけば大丈夫ですね。
何がいいかって紅斑、紫斑を判別できれば鑑別疾患が絞れます。
鑑別
紫斑は出血傾向
紫斑であれば、何らかの原因で出血傾向をきたしていると予測できます。出血傾向の原因には大まかに分けて
- 血小板(Plt)
- 凝固因子
- 血管壁
のいずれかに異常をきたしていると考えます。どこに原因があるかを調べれば、さらに原因を絞り込むことができます。ですので、採血を行いPlt、APTT、PTを調べようとなります。
疾患例
鑑別は症候などと合わせて絞りますが、ここでは単に例を挙げます。
血小板の数が減少、機能不全をきたす疾患は
- ITP(特発性抗血小板性紫斑病)
- 抗血小板薬
- TTP(血栓性血小板)
- 再生不良性貧血
- AMLのM3など
凝固因子であれば
- 血友病
- ワーファリン飲んでいるなど
血管壁の異常であれば
- 結節性多発動脈炎
- ビタミンC欠乏症(壊血病)
- アレルギー性紫斑病(Henoch-Schönlein紫斑病)など
紅斑と紫斑を判定することは疾患鑑別につながる重要な所見なんですね。