肺体血流比Qp/Qsとは
Qp/Qsとは全身(systemic)に比べて肺(plumonary)にどれだけ血流があるかを示す指標で、正常ではQp/Qs ≒ 1です。Qp/Qsは心カテーテルを用いて算出します。
Qp(肺血流):pulmonary blood flow
Qs(体血流):systemic blood flow
Qp/Qsはどのような場合に算出され、正常とは何を指すのでしょうか?
正常とは、シャントがない場合を指し、シャント性疾患ではQp/Qs≠1となります。
Qp/Qs >1 とはどのような状況?
分子のQpが大きい、つまり肺血流(plumonary)が多くなっている状況なのでQp/Qs >1は肺血流が多くなっている状態を指し、1より大きいほど肺の負担が大きいことを示します。
◯→△シャントでいうとどちらでしょうか?
左→右シャントですね。つまり、Qp/Qs>1 は左右シャントを示唆します。
どのように見る?心室中隔欠損症VSDとQp/Qsの見方
左→右シャントがあるような疾患(例えば心室中隔欠損症VSD)では、左心室から右心房に血流が逆流するので、肺血流が多くなりQp/Qsが1より大きくなります。
VSDでは欠損の大きさで予後や治療が異なり、Qp/Qsによる分類と評価が大切です。Qp/Qsが1.5以下であれば少欠損、1.5以上であれば大欠損となります。
またQp/Qs <1.4 であれば自然閉鎖が期待でき、自然閉鎖しなくても一生放置出来る可能性が高いと判断できる。
心室中隔欠損症VSD | ||
少欠損 | 大欠損 | |
シャント | 左→右シャント | |
Qp/Qs | < 1.5 | ≧1.5 |
予後など | 自然閉鎖するものが多く予後良好
欠損孔が小さい分、シャント量も少ないがジェット乱流が強いため、感染性心内膜炎を合併しやすい(要経過観察) |
乳児期に早期死亡することがある
心不全、Eisenmenger化などが予後に関わる |
Qp/Qsとは |
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