自律神経障害の症状

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自律神経障害(Autonomic neuropathy)って?

自律神経は循環、呼吸、消化、発汗・体温調節、生殖機能など不随意な機能を制御する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経があり、それらは互いにシーソーのように拮抗しあいバランスをとっています。状況によって自律神経が作用する程度が変化し、その複雑なコントロールはホメオスタシスの維持を担う生命の維持に重要な働きをしています。

そんな自律神経障害による症状は多彩で、患者のADLを損なう重要な障害のひとつです。自律神経障害は糖尿病性ニューロパチー、多発神経炎(polyneuropathy)などで認められます。

自律神経障害には

  • 膀胱直腸障害
  • 消化器症状
  • 起立性低血圧
  • 不整脈
  • 発汗の低下
  • 体温調節異常
  • 瞳孔拡大(羞明)
  • ED(インポテンツ)
などがあります。

自律神経障害の症状

自律神経は循環、呼吸、消化、発汗・体温調節、生殖機能など不随意な機能を制御していました。

えさきち
全身に張り巡らされ、ホメオスタシスに重要な役割を果たす自律神経系の障害です。障害を大きな括りでとらえながら整理していきましょう。
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膀胱直腸障害・消化器症状

消化管は食物を消化しながら蠕動運動で適切に運び、排泄しています。したがって自律神経が障害されると消化管の運動が悪くなったり、適切に消化できなくなります。

よって蠕動運動と消化がうまく行えない自律神経障害の患者さんでは、便秘と下痢を繰り返す ことがあります。また、食後に腹部不快感、膨満感を呈したりして、嘔吐につながることもあります。

排尿・排便も自律神経が大きな役割を担っています。

<排尿について>

正常では、膀胱に尿が貯留すると感覚神経を通じて尿意を感じます。しかし、自律神経障害の患者では尿意は感じるものの、排尿がスムーズに行えないため排尿困難・残尿をきたします。

排尿の仕組みを簡単におさらい

排尿困難が高度で、残尿が高度になると溢流性尿失禁(いつりゅうせい)を呈します。

溢流性尿失禁とは、ポタポタと自覚しないうちに尿が漏れ出てしまうものです。少量ずつ連続して起こり、患者はいつ漏れたかわからないことが特徴です。

<排便について>

機序は詳しくは書きませんが、同様に排便には交感神経の働きが重要になります。障害されると便失禁をきたすことがあります。

血圧・血管のコントロール障害

自律神経は血圧のコントロールにも重要な働きをしています。交感神経が亢進すれば血管が収縮し血圧は上昇し、副交感神経が亢進すれば血圧は下がります。自律神経が障害されると、コントロールができなくなり、起立性低血圧などを呈します。

起立性低血圧って?
起立性低血圧は、安静臥床した状態から起立させ3分以内に血圧の低下がみられるものをいいます。 血圧の低下とは、収縮期血圧(SBP)で 2...

起立性低血圧のみならず、不整脈や血圧の不安定も認められます。

発汗異常・体温調節異常

一つの例としてpolyneuropathy(多発ニューロパチー)では四肢の発汗低下、体幹の異常発汗が起きます。

えさきち

polyneuropathyでは四肢末端優位(手袋・靴下型)に両側性の末梢神経障害をきたすもので、手足の発汗が低下を示します

繰り返しますが、自律神経は不随意に働いてホメオスタシスの維持にかかわっており、発汗・体温のコントロールも自律神経の役割です。

緊張すると汗をかきやすいのは交感神経が亢進して発汗が亢進するからです。

暑く感じると汗をかくのも同様です。

これらは意思とは関係なく無意識に行われます。

瞳孔異常・ED

明るいところに入ると瞳孔を縮小させて眼に入る光の量を調節します。自律神経が障害されると瞳孔の調節が適切に行えないため羞明(まぶしさに過敏になること)をきたします。

正常では、瞳孔の拡大には交感神経が働き、収縮には副交感神経(動眼神経の副交感神経成分)が働きます。

えさきち

Horner症候群では交感神経が障害されるために副交感神経が優位になって縮瞳をきたしますね。

自律神経障害の症状は多彩のため、丸暗記するよりも整理しながら覚えたほうがいいように思います。日々の生活の中で自律神経の働きをを確認しながら覚えるといいかもしれませんね。

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