苔癬と苔癬化の違い
苔癬はほぼ同じ大きさの小丘疹が集簇あるいは散在し、慢性的にその状態が続くものをいいます。
線上にできれば線状苔癬、毛穴にできれば毛孔性苔癬といいます。
一方、苔癬化は
慢性的な痒みがあって、かきむしった結果皮膚がゴツゴツとした感じになることを指します。拡大傾向をしめし、アトピー性皮膚炎でみられます。慢性的な痒みがポイントです。
苔癬は丘疹が集簇した状態が長く続くもの、苔癬化は慢性湿疹でみられる皮膚の変化ですね。
苔癬と疾患
苔癬には
- 扁平苔癬
- 毛孔性苔癬
- 線状苔癬
扁平苔癬は苔癬化するの?
苔癬と苔癬化は全く無関係と思ってください。紛らわしいですが、まずはしっかり区別しましょう。
扁平苔癬は確かに軽度の痒みを伴います。掻破した結果、今まで正常だった皮膚にも同様の皮疹が生じる特徴的な現象がありましたね。
新たに皮疹を生じたとしてもそれを苔癬化とは言いません。
Vidal苔癬(ヴィダール)
混同しやすいものにVidal苔癬があります。Vidal苔癬は、衣服などの刺激によって生じた掻痒に対して、繰り返し搔くことによって苔癬化した湿疹のことを言います。
苔癬化の定義のまんまだね!
これは"苔癬"と名がついてますが、もろに"苔癬化"です。成書を見ると分かりますが、Vidal苔癬は湿疹・皮膚炎のカテゴリに入っています。(扁平苔癬などは角化異常のカテゴリ)
とある医師が「他の苔癬は苔癬化しないが、Vidal苔癬は苔癬化する!」と言っていたのでそれを聞いて誤解していたのですが、正しくは、苔癬化したものがVidal苔癬です。繰り返しますが、苔癬と苔癬化は全く無関係と肝に命じておきましょう。
皮膚科の専門医先生の言葉を紹介して終わります。
Vidal苔癬は扁平苔癬の仲間と思ってしまいがちですが全く別物です。