菌血症とは、血液中に細菌の存在が確認された状態を指します。通常、血液培養によって証明されます。
健常なヒトであれば、多少の菌が血中に紛れ込んでもやっつけられてしまいます。しかし血液中に菌がいることは決していいことではありません(感染性心内膜炎や細菌性髄膜炎など重篤な病態につながるからです)。繰り返しますが、菌血症が指すのは「血液中に細菌がいる」そこまでです。
一方、敗血症は 感染が元となって全身に炎症反応を生じた状態です。簡略化して式で表すと
敗血症 = infection + SIRS
となります。
菌血症と敗血症はオーバーラップすることはありますし、敗血症をきたしているが菌血症ではない(つまり、血液培養で細菌が証明できない)こともあります。
引用 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sepsis_and_SIRS-ja.JPG
敗血症は"全身の炎症"を伴うものですので、何らかの感染源が"血液中"にいる可能性が高いと推定されますが、
- 感染源が細菌とは限らない
- 血液培養で証明されるとは限らない(感度はそこまで高くない)