菌血症と敗血症の違い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

菌血症とは、血液中に細菌の存在が確認された状態を指します。通常、血液培養によって証明されます。

えさきち
本来血液中は無菌です。しかし、何らかの原因(抜歯など)によって血液中に細菌が入り込んでしまいます。 

健常なヒトであれば、多少の菌が血中に紛れ込んでもやっつけられてしまいます。しかし血液中に菌がいることは決していいことではありません(感染性心内膜炎や細菌性髄膜炎など重篤な病態につながるからです)。繰り返しますが、菌血症が指すのは「血液中に細菌がいる」そこまでです。

一方、敗血症は 感染が元となって全身に炎症反応を生じた状態です。簡略化して式で表すと

敗血症 = infection + SIRS

となります。

えさきち
定義の違いはわかったと思います。両者が混同されやすい原因はオーバーラップすることがあるからだと思われます。

菌血症と敗血症はオーバーラップすることはありますし、敗血症をきたしているが菌血症ではない(つまり、血液培養で細菌が証明できない)こともあります。

えさきち
1対1の関係やイコールの関係ではなく、互いに独立して時に重なり合う概念です。

Sepsis_and_SIRS-ja2.svg

引用 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sepsis_and_SIRS-ja.JPG

敗血症は"全身の炎症"を伴うものですので、何らかの感染源が"血液中"にいる可能性が高いと推定されますが、

  • 感染源が細菌とは限らない
  • 血液培養で証明されるとは限らない(感度はそこまで高くない)
などの理由から「菌血症でないから敗血症ではない」は間違いだといえます。
敗血症の新定義とSOFAスコア
敗血症の定義変更 2016年2月に敗血症の定義が変更されました。 <以前の記事> 以前は「infection +S...
敗血症性ショック(Septic shock)とは?
敗血症性ショック = sever sepsis + 輸液に反応しないショック 敗血症性ショック Septic shock とは 重症の敗...

臨床実習の傍ら、Webサービスを運営している医学生。将来の夢は学校をつくること。琴線を記録するサービス kotonohaを製作しました。(俺、この戦争が終わったらスタートアップするんだ...)
BUMP OF CHICKEN が大好き
bot作りました→といえばbot
botは知識の整理に超有用です。twitter開く度に復習出来ます。
その他111回受験生オススメbot→こちら
Test
気に入っていただけたらシェアお願いします
スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です