薬剤熱(drug fever)は薬剤アレルギーの一種。
なぜ問題になるか
病歴は大切。
という典型的な病歴では何も難しいこともないように思えるが、抗生剤を使用する背景には何らかの感染症が疑わているはず。つまり「熱がおさまらないのは感染の持続?」と思い使い続けていると、不明熱として扱われてしまう。というわけで、薬剤熱の特徴を勉強しよう。
薬剤熱の特徴
- 薬剤(セフェム系、ペニシリン系、ループ利尿薬など)の使用後
- 発熱(40℃以下であることが多い)
- 比較的徐脈
- 発熱の割には比較的元気(食欲もあることが多い)
- 比較的高くない熱
- 比較的徐脈
- 比較的元気
「熱があるのに感染の時みたいにぐったり(全身倦怠感)しないし脈もそこまで速くない」
110回医師国家試験で問われた薬剤熱
余力がある人はこちらでイメージを深めると良いと思い紹介します。
病歴まとめ
- 41歳 女性 尿路感染症の治療のため入院
- 5日前 38.3℃の発熱 尿検査でWBC↑ グラム陰性桿菌 肋骨脊柱角に叩打痛
- 即日セフェム系の静脈投与開始
- 尿沈渣に白血球認めず、叩打痛も無くなった。血液検査も異常なし。しかし 発熱は持続
- 一旦37℃前後まで下がるが、抗菌薬投与後に38℃以上に上昇することを繰り返している
- 比較的元気な様子で食欲も良好
- 体温 38.2℃ 脈拍 72/分
答えは aです
コメント
俗に言う、ヒカク三原則ですね
僕が聞いたものは『比較的 CRP が低い』が含まれていました