褥瘡(bedsore)は寝たきりなどで長時間同じ姿勢を取った時に、体重の負荷がかかりやすい部位が血行不全に陥り壊死してしまうものです。一般にいう、"床ずれ"です。
褥瘡は長期臥床患者において最も重要な問題の一つです。QOLや看護全てに悪影響を及ぼします。防げる褥瘡ならば予防が大切です。
予防はなんといっても体位変換です。2〜3時間おきに体位変換を行います。
健常な人は無意識のうちに眠っている間は寝返りをうったり、長時間椅子に座っているときはお尻を浮かせるなどして、同じ部位に長い時間の圧迫が加わらないようにしています。しかし、脊髄損傷の方、骨盤骨折の方などリスクが高い人は適切に体位変換できず褥瘡を形成してしまいます。
体位変換に加え、褥瘡の予防では皮膚の乾燥が大切になります。尿でオムツ内がジュクジュクになった状態だとリスクが高まります。
創傷の治癒など、通常湿潤は正義です。よく俗説で「フーフーして乾かせ」と言われますが間違いで、湿潤環境を保つことが創傷治癒には大切です。
褥瘡では通常と逆で乾燥なんだね!
褥瘡の予防では過度の湿潤環境は逆効果ですが、褥瘡を生じてしまったら話は別です。
【109G19】
褥瘡の治療とケアについて正しいのはどれか.
a 創面は洗浄しない.
b 体位は変換しない.
c 黒色壊死は温存する.
d 創面の湿潤環境を保つ.
e 亜鉛製剤の投与は控える.