遺伝性球状赤血球症(HS)の病態と治療

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

遺伝性球状赤血球症(HS:Hreditary spherocytosis)は、赤血球の細胞骨格の異常により赤血球が脾臓でトラップされ溶血性貧血をきたす疾患。

遺伝性球状赤血球症HSの病態と所見

常染色体優性遺伝(AD)で日本国において遺伝性溶血性貧血の中では最多。

スポンサーリンク

スペクトリン蛋白の異常で球状になる

スペクトリン蛋白の異常に起因する。

えさきち
赤血球は中心がへこんだ不思議な形をしてますよね。体の隅々までめぐる赤血球は正常では柔軟性を持ちます。毛細血管を通りますし、脾臓の細網組織をくぐり抜けます。

細胞骨格を担うスペクトリン蛋白が機能しないと特有の形状と柔軟性を失ってしまう。

えさきち
球状になります

球状になった赤血球

正常では、中心が薄いので"白く抜ける"はずですが、一様に染まっている。

柔軟性を失うと脾臓を通過できない

脾臓の細網組織で捕捉(トラップ)されて、破壊されてしまう。(正常の赤血球も古くなるとトラップされて破壊)

破壊されるとヘモグロビン、

赤血球がトラップされるとマクロファージが集積、活性化し貪食する。脾種をきたす。

他の溶血性貧血と同様に、ヘモグロビンが間接ビリルビンに変化する。

よって、HSでは

  • 脾腫
  • 黄疸
  • ビリルビン胆石
を呈する

ハプトグロビンが消耗性に低下する

ハプトグロビンは毒性のあるHbのキャリア蛋白である。溶血によりヘモグロビンが血管内に漏出するので、ハプトグロビンが結合するのでハプトグロビンが消耗性に低下する。

溶血性貧血の血液所見

  • 血清LDH ↑
  • ハプトグロビン↓
  • 間接ビリルビン↑

遺伝性球状赤血球症の治療

治療は脾摘。マクロファージが活性化しているのは免疫異常ではなく赤血球がたくさんトラップされるから。

物理的に破壊されているから、脾摘。AIHA,ITPのような免疫的機序ではない

(ステロイドは無効)

周辺知識

脾摘後は肺炎球菌に弱くなる。髄膜炎が怖いので、脾摘前にニューモバックス(ワクチン)。

ヒトパルボウイルスB19 に感染するとapkastic crisisとよぶ赤芽球産生障害をきたす。

赤血球作れない、壊されるのダブルパンチで重篤な貧血をきたす。(Sever anemia)

臨床実習の傍ら、Webサービスを運営している医学生。将来の夢は学校をつくること。琴線を記録するサービス kotonohaを製作しました。(俺、この戦争が終わったらスタートアップするんだ...)
BUMP OF CHICKEN が大好き
bot作りました→といえばbot
botは知識の整理に超有用です。twitter開く度に復習出来ます。
その他111回受験生オススメbot→こちら
Test
気に入っていただけたらシェアお願いします
スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です