体内の鉄について
食事で摂取すべき鉄量は10mg
鉄は十二指腸で吸収されるが、腸管からの鉄吸収効率は悪く、一日の鉄の吸収量は1日1mgである。
ビタミンCで鉄吸収増加!
鉄はFe3+の3価で存在することが多く、体内で吸収されるためにはFe2+に還元しなければならない。
ビタミンCには還元作用があり鉄を還元型にし鉄吸収を増加させる働きがある。
体内の鉄の多くはヘム鉄として存在する
体内の総鉄量は3,000~4,000mgで、総鉄量の2/3は赤血球内のヘム鉄(ヘモグロビン鉄)として存在する。
鉄代謝、鉄動態について
「鉄は閉鎖的にリサイクルされている」
赤血球の寿命は約120日で、古くなった赤血球は脾臓でトラップされマクロファージに貪食され、分解処理される。その際の赤血球内のヘム鉄はほぼ100%、骨髄の赤血球産生に再利用される。
鉄排泄・吸収ともに抑えることができる
体内の鉄は排泄・吸収ともに1日1mg程度に微妙に抑えられている。これは鉄の「過剰・欠乏」どちらにおいても体内にとって有害であることを示唆している。
過剰な鉄はフリーラジカルを産生し、細胞毒性を発言する。一方、鉄はヘモグロビンやミオグロビン以外に、チトクローム(cytochrome)にも含まれ、ミトコンドリアの電子伝達系の維持に不可欠な微量元素でもある。
人体は鉄の排泄・吸収のバランスを1日1mg程度の微量に抑えて、かつ効率良くリサイクルさせることで鉄過剰・欠乏が起こらないように維持される仕組みを作っている。