正常圧水頭症の治療として髄液シャント術がありますが、その適応の判断に有用な検査に髄液タップテストがあります。
髄液タップテストはルンバール(腰椎穿刺)と手技的にはほとんど変わりありません。どちらも腰椎穿刺を行い、脳脊髄液を採取するものです。
ルンバールでは髄膜炎などを疑ったときに施行し、髄液所見から鑑別をあげるために施行します。髄液タップテストでは脳脊髄液を少量(約30 ml)排出し、検査後の症状が改善するかどうかをみます。
目的が違うんだね!
正常圧水頭症NPHは高齢者に起こりやすい水頭症の一種で歩行障害、認知障害、尿失禁が主症状の病気ですが、それらの症状は貯留した髄液が原因で、治療には髄液シャント術が有効です。その治療の前に本当に髄液シャント術が有効なのか判断する目的で髄液タップテストを施行します。
髄液タップテスト後に歩行障害や認知障害の改善が認められれば、髄液シャント術の適応になります。
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