先天性胆道拡張症についてまとめてみた

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先天性胆道拡張症って?

先天性胆道拡張症は先天性の膵胆管合流異常症があるヒトに膵液胆管逆流を生じることにより限局性の胆道拡張をきたしたもの。

女児に多く、多くは幼児期に発見されます。

閉塞性黄疸(間欠的灰白色便)・腹部腫瘤・右上腹部痛が三主徴とされますが、全て揃うことは少なく、はっきりしません。(20~30%)

閉塞性黄疸を小児期にきたすことは稀であり、胆汁うっ滞により肝硬変に至ることは極めて稀で予後は良好な疾患です。腹痛などを定期的に自覚しながらも大人になって発見されることもあります。

【100A31-抜粋】

35歳の女性.腹部超音波検査で総胆管の著明な拡張を指摘され来院した.幼少時から年に数回腹痛があった.貧血と黄疸とを認めない.腹部は平坦で,肝・脾を触知しない.血液所見:赤血球420万,Hb 12.2g/dL,白血球6,200,血小板28万.血清生化学所見:総蛋白7.5g/dL,アルブミン5.0g/dL,総ビリルビン0.6mg/dL,AST 38単位,ALT 32単位,ALP 212単位(基準260以下)

女性、総胆管の著名な拡張、閉塞性黄疸(-)、幼少時より年数回の腹痛エピソード

膵液が逆流することにより、障害を受けた胆道が限局性に拡張します。その形は嚢腫状であることが特徴的です。

101g29a

101G29

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90E17(胆嚢ではありません)

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先天性胆道拡張症ではほぼ全例に膵・胆管合流異常症を認めます。胆汁、膵液が逆流を起こすため、胆汁が膵管に逆流した場合には膵酵素の活性化を起こし,腹痛(ひどい場合は膵炎)を生じます。一方、膵液が胆管内に逆流した場合には、囊腫状拡張胆管内で混合液がうっ滞し炎症・腹痛を起こし,長期にわたると胆石形成で癌の発生を認めます。

先天性胆道拡張症の検査所見など

閉塞性黄疸をきたしていれば直接ビリルビン優位の総ビリルビン値↑

胆汁・血清中アミラーゼ高値

小児期に閉塞性黄疸をきたす例は稀で、乳児期の閉塞性黄疸といえば「胆道閉鎖症」である(注意)

【93F21-抜粋】

5歳の女児腹痛と発熱とを主訴に来院した.1年前から軽度の腹痛が時々あったが,自然に消退していた.体温38.1℃.眼球結膜に軽度の黄染を認める.上腹部に径約5cmの腫瘤を触れる.肝との境界は不明瞭である.血液所見:赤血球423万,白血球13,200.血清生化学所見:総ビリルビン4.0mg/dL,AST 100単位,ALT 86単位,アミラーゼ420単位(基準37~160)

発熱、白血球増加は胆管炎によるものと考えられる。閉塞性黄疸を生じているため、胆汁うっ滞により軽度の肝障害を生じているためこの症例ではAST,ALTが上昇している。

先天性胆道拡張症
  • ほぼ全例に膵胆管合流異常症がある
  • 膵液逆流により限局性の胆道拡張をきたす
  • 嚢腫状の拡張を呈する
  • 女児に多い
  • 閉塞性黄疸、腹部腫瘤、右上腹部痛が三主徴とされる
  • 小児期に閉塞性黄疸を生じることは稀
  • 大人になると閉塞性黄疸をきたすことがある
  • しかし胆汁うっ滞により肝硬変になることは極めて少ない
  • 胆汁・血清アミラーゼ高値
  • 外科的に拡張胆管切除+胆道再建術(拡張胆管は癌化しやすいため)
  • 予後は良好
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