胃癌は転移先によって特殊な名称がある。(裏を返せば名称がつくほど転移先としてよく見られると考えることもできる)
胃癌を発見したら転移がないか?
転移性が疑われた場合は原発巣はどこか?
それらを考えるうえで名称のついたものは手助けになる。注意深く見ていこう。
Krukenberg腫瘍
Krukenberg腫瘍は卵巣転移したものをいう。播種性転移、血行性転移の機序が考えられ、両側性の卵巣腫瘍(充実性)が特徴的である。マーカーとしては、CEAが上昇する。原発巣が胃癌(腺癌)なので当然と思われるかもしれないが、卵巣癌における腺癌の主なマーカーは
- CA125
- CA19-9
※症状から若年女性の悪性疾患の可能性を考えた場合,上腹部痛があればスキルス胃癌を念頭において内視鏡にて確認することが必須。
スキルス胃癌は播種傾向が高く,腹水(癌性腹膜炎),卵巣転移に関連する.
Virchow転移
「ウィルヒョウ」と読む。胃癌の左鎖骨上窩リンパ節転移のこと。
胸管が左鎖骨下静脈に至る(静脈角)過程で転移が起こると考えられているからです。
Schinitzler転移
Douglas窩転移のことで、播種性転移と考えられている。
Douglas窩は立位でも背臥位でも腹膜腔の最下層にあたるため。