JAK2遺伝子変異のある疾患PV,MF,ETについて

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チロシンキナーゼの一種であるJAK2 遺伝子変異を持つ疾患に下記の3つがあります。

  • PV(真性多血症) 約95%
  • PMF(原発性骨髄線維症) 約50%
  • ET(本態性血小板血症) 約50%

PV:polycythemia vera

PMF:primary myelofibrosis

ET:Essential thrombocythemia

<PV 真性多血症>

造血幹細胞レベルで後天的な遺伝子異常が原因になり赤血球を主体とする3系統の増殖をきたす骨髄増殖性腫瘍(MPN)のひとつ。

えさきち
"真性赤血球増加症"と言われることもありますが、3系統共に増加することに注意しましょう。
  • JAK2 遺伝子変異が95%に陽性
  • NAP score ↑
  • 頭痛、めまい、顔面紅潮、肝脾腫(時に巨脾)←赤血球増加、循環血漿量増加のため
  • 皮膚掻痒感(∵ヒスタミン↑)
  • 血栓症(∵ 血液粘稠度↑)
  • MFやAMLに転化することがある
  • EPO →〜↓ (二次性多血症との鑑別点)
  • 治療は瀉血、抗がん剤(ハイドロキシウレア)
  • 血栓予防のため抗血小板薬投与(アスピリン)

<PMF 骨髄線維症>

造血幹細胞レベルで生じた遺伝子異常により巨核球をはじめとする骨髄系細胞が増殖する骨髄増殖性腫瘍の一つ。骨髄の広範な線維化、髄外造血による巨大脾腫、肝腫大、末梢血への涙滴赤血球・赤芽球・骨髄芽球・巨大血小板の出現など。

  • JAK2 遺伝子変異が約50%
  • 正球性正色素性貧血
  • NAP score↑
  • 線維化のため dry tap
  • 骨髄の線維化は癌の骨髄転移やCMLの急性転化でも生じるためこれらを鑑別する

<ET 本態性血小板血症>

造血幹細胞レベルに生じた遺伝子異常により巨核球の異常増殖を生じ、血小板著増する骨髄増殖性腫瘍のひとつ。

  • JAK2 遺伝子変異が約50%
  • 血小板著増 ↑↑↑ (診断基準は >45万/μLであるが100万越えも稀ではない)
  • 骨髄にて巨核球↑↑
  • NAP score↑
  • 生命予後は良好
  • 合併する血栓症や出血の予防(アスピリン)
臨床実習の傍ら、Webサービスを運営している医学生。将来の夢は学校をつくること。琴線を記録するサービス kotonohaを製作しました。(俺、この戦争が終わったらスタートアップするんだ...)
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