原発性免疫不全症には下記のものがあります。
- 慢性肉芽腫症
- Chédiak-Higashi症候群
- X連鎖(Bruton型)無γ-グロブリン血症
- DiGeorge症候群
- 重症免疫不全症(SCID)
- Wiskott-Aldrich症候群
- 毛細血管拡張性失調症(Louis-Bar syndrome)
試験にも問われやすく、同時に覚えにくい分野だと思います。
<ポイント>
- 何系統が障害されるのか？(好中球？Bcell？Tcell？)
- 遺伝形式は？(X連鎖劣性遺伝はどれか？)
- その他疾患に特徴的な所見を問う(臨床問題)
目次
原発性免疫不全症の原因
免疫不全の原因として、大きく分けて
- 好中球が障害されるもの
- B細胞が障害されるもの
- T細胞が障害されるもの
- B・T細胞が共に障害されるもの
があります。ポイントは１〜３の疾患を覚えることです。
好中球が障害される免疫不全症の覚え方
好中球が障害される原発性免疫不全症は
- 慢性肉芽腫症
- Chédiak-Higashi症候群
肉まん好きな東
肉まん:慢性肉芽腫症
好きな:好中球
東:Chédiak-Higashi症候群
Bcellが障害されるもの
B細胞が障害される原発性免疫不全症は、X連鎖(Bruton型)無γ-グロブリン血症です。これは簡単です。X連鎖(Bruton型)無γ-グロブリン血症の中に「B」が入っているからBcell系が障害と覚えましょう。X連鎖と書いてあるので、遺伝形式も伴性劣性遺伝とわかりますね。
Tcellが障害されるもの
T細胞が障害される疾患はDiGeorge症候群です。これの覚え方なのですが、変にゴロで覚えずDiGeorge症候群は発生異常により副甲状腺低形成や「胸腺低形成」を呈します。つまり
Thymic hypoplasia(胸腺低形成)
が根底にあるので、胸腺低形成→T細胞減少(T細胞の障害)とわかります。
試験では知識を結び付けられればいいので「所ジョージ→T-George」と覚えてもOKです。
B＆Tcellが障害されるもの
今までのものを覚えていれば、それ以外です。
| 慢性肉芽腫症 | 好中球 |
| Chédiak-Higashi症候群 | |
| X連鎖(Bruton型)無γ-グロブリン血症 | B細胞 |
| DiGeorge症候群 | T細胞 |
| 重症免疫不全症(SCID) | B&T細胞 |
| Wiskott-Aldrich症候群 | |
| 毛細血管拡張性失調症
(Louis-Bar syndrome) |
遺伝形式の覚え方
遺伝形式はX連鎖劣性遺伝のものを覚えましょう、それ以外は基本的に常染色体劣性遺伝です。覚え方はこちら。
慢肉好きな男子→伴性劣性遺伝
X連鎖無γ-グロブリン血症→疾患名にX連鎖とある
Wiskott-Aldrich君のWAX→WA(Wiskott-Aldrich)はX連鎖
特徴・検査所見
障害される細胞系、遺伝形式を抑えたら次は疾患毎の特徴・検査所見です。
| 特徴・検査所見 | |
| 慢性肉芽腫症 | 肛門周囲膿瘍
NBT色素還元能低下 |
| Chédiak-Higashi症候群 | 色素脱失(白子、赤毛)
好中球内巨大顆粒 |
| X連鎖(Bruton型)無γ-グロブリン血症 | XR |
| DiGeorge症候群 | 副甲状腺機能低下
(PHT低下 → Ca低下、P上昇) 心奇形あり 胸腺低形成 顔貌異常 小顎症 |
| 重症免疫不全症(SCID) | 生ワクチン禁忌、アデノイド、扁桃、胸腺萎縮 |
| Wiskott-Aldrich症候群 | XR
血小板低下 慢性湿疹 悪性リンパ腫 |
| 毛細血管拡張性失調症(Louis-Bar syndrome) | 小脳失調
眼球結膜、毛細血管拡張 気管支拡張症 IgA低下 |
