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ヘプシジンって?
ヘプシジンは鉄過剰あるいは炎症時に肝臓での産生・放出が促進される。
鉄過剰以外に、炎症でもヘプシジン産生が促進するのはポイントである。
IL-6に反応して合成される
ヘプシジン(Hepcidin)は炎症性サイトカインIL-6に呼応して肝臓で合成・分泌されるペプチドホルモンで鉄代謝を制御する唯一の因子と言われている。
ヘプシジンは鉄吸収・放出抑制に働く
鉄吸収抑制:マクロファージと腸管に作用する
- マクロファージの鉄放出を抑制する
- 腸管からの鉄吸収を抑制する
ヘプシジンの上記の働きにより鉄吸収・放出が抑制されると骨髄における赤血球産生(ヘモグロビン合成)が抑制される。これを網内系鉄ブロックと呼ぶ。
Hb = ヘム + グロビン
ヘム = Fe2++ポルフィリン
鉄はHbの材料!
ヘプシジンは貯蔵鉄の利用障害(鉄放出抑制)
貯蔵鉄の実体はフェリチンという蛋白である。血清フェリチンは体内の貯蔵鉄の量を敏感に反映している。鉄放出を抑制するため、マクロファージには老廃赤血球由来の鉄が蓄積し、フェリチンの産生が亢進し、その一部は血中に分泌される。(血清フェリチンの上昇)
ヘプシジンは貯蔵鉄の再利用を阻害する
↓
血清フェリチン↑
ヘプシジン↑ による貧血
ヘプシジンには鉄吸収・鉄放出抑制の作用があった。
つまりヘプシジンは赤血球産生を低下させる。
ヘプシジンと慢性炎症に伴う貧血
慢性炎症に伴う貧血って聴いたことありませんか?
慢性炎症に伴う貧血が理解できる。
慢性炎症
↓
IL-6 ダラダラ出続ける
↓
ヘプシジン産生促進
↓
赤血球産生抑制
↓
貧血
体内の鉄代謝・動態を知っておこう