流行性角結膜炎について
流行性角結膜炎(はやりめ)はウイルス性結膜炎の一種で主にアデノウイルス8型が原因。
好発年齢は無く、潜伏期間は一週間。
<所見>
- 高度の眼脂と流涙
- 強い結膜充血
- 耳前リンパ節の腫脹・圧痛(ウイルス性結膜炎でも特に)
- 点状表層角膜炎(早期には認めない、発症後1週間後から)
【87D23】
30歳の男性.2日前から両眼の流涙,羞明および異物感を自覚して来院した.視力は右1.0(矯正不能),左1.0(矯正不能).左眼の眼瞼結膜と球結膜との写真を次に示す.眼脂は粘稠で半透明である.角膜には著変なく,前房混濁もないが,耳前リンパ節は腫脹し圧痛がある.
【102A38】
65歳の女性.前日からの右眼の眼脂,流涙および結膜充血を主訴に来院した.同居している7歳の孫に約1週前から同様の症状があった.羞明がある.右耳前リンパ節の腫脹と圧痛とを認める.前眼部写真を次に示す.
この疾患で正しいのはどれかa 飛沫感染する.
b 片眼のみの発症が多い.
c 発症後3,4日で自然治癒する.
d 病原体はヘルペスウイルスである.
e 特異的療法はない.
【106I56】
20歳の男性.右眼を開けられないことを主訴に来院した.今朝,起床時に右の開瞼が困難であることに気付き,その後も改善しないため受診した.10日前から,同居の弟の両眼に同様の症状がみられているという.体温36.2℃.流涙を認める.顔面の写真(A,B)を次に示す.
この疾患でみられないのはどれか.a 眼脂
b 偽膜形成
c 虹彩毛様体炎
d 点状表層角膜症
e 耳前リンパ節の圧痛
集団発生予防
ウイルス性結膜炎は伝染力が強く、集団発生の恐れがあるので疑いが晴れない場合や診断つくまでは外出を控える必要があります。特に、点眼後の手指の消毒を徹底し、家族と同居の場合はタオルの共有は絶対にダメです。
感染経路
手指やタオルなどの物品を介した接触感染によって感染します。
手洗い・手指消毒や身の回りの消毒を行うことが大切です。
- 患者はできるだけヒトとの密接な接触は避け、こまめに手洗い・手指消毒
- タオルや洗面器などの共用は避けましょう。(特に、家族と同居の場合)
- ドアノブや手すり、おもちゃなどは、できるだけこまめに消毒
- 消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム(0.02%)で消毒する
- 目やに、涙を拭き取る場合は、ティッシュペーパーや清浄綿を使う
【105B30】
流行性角結膜炎の院内感染防止に有効なのはどれか.2つ選べ.
a 患者の抗菌薬点眼
b 患者の抗菌薬内服
c 患者の抗ウイルス薬内服
d 患者が接触した物のアルコール消毒
e 患者および医療関係者の流水での手洗い
迅速診断
原因の特定には迅速診断が有用で、ELISA法やクロマトグラフィー法(アデノクロン、アデノチェック)があります。
結果は陰性でしたが、一応私も感染が否定されるまで安全のためその日は臨床実習がお休みになりました。次の日再度診察されて疑いは晴れました。今思えば私の目の充血は…寝不足でしたね。
流行性角結膜炎 106I56 107I22 |
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