ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬の副作用について

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ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬の副作用には共通点があり、他の病態にも応用できることが多い。ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬の副作用について比較しながら見ていきましょう。

ループ利尿薬 サイアザイド系利尿薬
作用部位 Na+-K+-Cl共輸送体

(@ヘンレの太い上行脚)

Na+-Cl共輸送体

(@遠位尿細管)

薬剤名 フロセミド

ブメタニド

ヒドロクロロチアジド

トリクロルメチアジド

副作用

<共通>

低K血症&代謝性アルカローシス

低Mg血症

高尿酸血症

低Ca血症

低Cl血症

高Ca血症(尿中Ca排泄down)

↑Gitelman症候群とリンクさせよう

補足 高Ca血症の治療にも用いられる 尿路結石の治療にも用いられる

(尿中Ca排泄down)

ループ利尿薬は最も強力な利尿薬です。ヘンレ"ループ"に作用するのでループ利尿薬と覚えましょう。(ヘンレループは「尿の総量を減らして低張尿」にするところ)

"ヤセ"目的でループ利尿薬を頻用すると偽性Bartter症候群をきたします。

http://kumicho.asia/bartter%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4-802.html

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低K血症と代謝性アルカローシスはセット

低K血症と代謝性アルカローシスはセットで書きましたが、基本的に利尿薬を用いると低K血症になります。末期の腎不全に陥ると「Kが排泄されずに」高K血症をきたすことをイメージしましょう。危険な高K血症を来さないように、尿として分泌するのが尿の役割です。尿をたくさん出させる利尿薬は低K血症を引き起こします。例外的なものとして、高アルドステロン薬などの利尿薬はK+分泌を低下させるので「K保持性利尿薬」と呼ばれます。

そして、低K血症は代謝性アルカローシスです。KとH+は原則として正に相関しているので、どちらか一方が上がれば上がり、一方が下がれば下がるという関係です。同じ方向に動く、これが医学を学ぶ上での原則です。知らない人は覚えておきましょう。

「代謝性アシドーシスは高K血症」の原則の例外
通常、代謝性アシドーシスは高K血症をきたします。よくわからなくても原則として頭に入れておくことが大切です。 その原則にも例外があります...

Caについては真逆ですね。

ループ利尿薬 サイアザイド系利尿薬
低Ca血症

(高Ca尿症)

高Ca血症

(低Ca尿症)

このへんはBartter症候群とGitelman症候群に似ています。

Bartter症候群 Gitelman症候群
部位 Na+-K+-Cl共輸送体の機能障害 Na+-Cl共輸送体

(@遠位尿細管)

所見 高Ca尿症 低Ca尿症

低Mg血症

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