母乳栄養の欠点・不足するもの
- ビタミンKが不足による出血(特に頭蓋内出血)を起こしやすい(生後1ヶ月頃)
- 鉄欠乏性貧血になりやすい(特に6ヶ月以降)
- 母乳性黄疸になることがある
- ビタミンDが不足しやすい
<ビタミンK不足で出血傾向になる機序>
母乳栄養によるビタミンK不足
→肝臓にて第2,9,7,10凝固因子が合成できない
→プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長
出血傾向
母乳栄養によるビタミンK不足による出血は生後1ヶ月の乳児の頭蓋内出血をきたす原因で重要である。
ビタミンKの不足を補うために、ビタミンK2シロップを投与する。
<ビタミンK2シロップを投与するタイミング>
- 初回哺乳確立後
- 産科退院時
- 生後1ヶ月後
胆道閉鎖症・新生児肝炎によるビリルビン分泌障害でも起こる
ビタミンK不足は胆道閉鎖症による脂溶性ビタミンの再吸収阻害でも起こるので、その場合はビタミンKを経口投与しても吸収できないので、経静脈投与する。
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種であり、脂肪とほぼ同様の吸収経路を辿る。胆汁酸により脂質や脂溶性ビタミンを腸内でミセル化しないと乳糜管から吸収できない。