SIADHについて
SIADH
syndrome of inappropriate secretion of ADH
バソプレッシン分泌過剰症
SIADHでは低浸透圧血症(血漿浸透圧 < 280mOsm/kg)であるのに、ADHが不適切に分泌され続ける病態で、尿浸透圧(300mOsm/kg) > 血漿浸透圧(280mOsm/kg) となる。
<SIADHのポイント>
- 低ナトリウム血症(低浸透圧血症)
- 尿浸透圧 > 血漿浸透圧
- 浮腫、脱水を認めない
- 血漿バソプレシンが測定可能
SIADHの原因
"ADHが不適切に分泌され続ける"のには殆どの場合原因がある。つまり、原因となる基礎疾患や薬剤の使用歴が存在する。SIADHと他の低Na血症をきたす疾患と鑑別することだけでなく、SIADHの原因究明が重要になる。
- 異所性ADH産生腫瘍:肺小細胞癌、膵癌
- 中枢神経疾患:脳炎、髄膜炎、脳腫瘍、外傷
- 呼吸器疾患:肺炎、結核、気管支喘息、COPD
- 薬剤性:ビンクリスチン、シスプラチン、クロフィブラート、SSRI