Romberg徴候陽性とは深部感覚障害
Romberg徴候が陽性になる障害は3つ!
Romberg徴候は脊髄後索の障害の有無を評価すると思われがち。でもそれだけではありません。Romberg徴候が陽性になるのは下記の障害。
- 前庭神経
- 脊髄後索
- 末梢神経
Romberg徴候陽性とは深部感覚(位置覚、振動覚など)に障害があることを意味します。
Romberg徴候の手順・見方
被験者に足を揃えて目を閉じてもらい直立を維持をしてもらいます。これでグラグラと体の揺れが出現すれば陽性です。
<手順とポイント>
- 開眼状態で立ってもらう(直立!まっすぐ!)
- 開眼状態では立てることを確認する
- 「眼を閉じてください」と合図をして閉眼させる
- 閉眼すると揺れるもしくは倒れてしまう
立てないこと = Romberg徴候陽性ではありません。開眼のときには直立出来ていたのに、閉眼すると不安定になることがポイントです。
ヒトがじっと直立できるのは深部感覚などの感覚と視覚が相互作用しているからです。深部感覚などが障害されているひとが開眼時には直立できるのは、視覚情報をフルに活かしているからです。視覚情報も遮蔽されたときに深部感覚の障害が表在化してくるわけですね。
開眼しているのに直立できないときは?
開眼していても倒れてしまうときはRomberg徴候陽性とは言いません。開眼状態で倒れる場合は、小脳性運動失調を考えます。よくある勘違いですが、Romberg徴候で小脳機能の評価ではありません。「開眼状態で直立したのち閉眼してもらう」ものがRomberg試験ですので、その「開眼状態での直立」ができない時点で試験が成り立たないからです。
Romberg徴候が陽性となる疾患
Romberg徴候が陽性になるのは下記の障害。
- 前庭神経
- 脊髄後索
- 末梢神経
前庭神経障害 | 前庭神経炎など |
脊髄後索障害 | 亜急性脊髄連合変性症
脊髄癆(神経梅毒) |
末梢神経障害 | 糖尿病性ニューロパチーなど |
末梢神経障害には感覚障害、運動障害、自律神経障害がありその中でも感覚障害優位場合におこります。