舌の神経支配
舌の神経支配は知覚と味覚は前2/3と後ろ1/3で別れていて…と良く下の表のようにまとめられています...↓
運動 | 知覚 | 味覚 | |
後1/3 | 舌下神経 | 舌咽神経 | 舌咽神経 |
前2/3 | 舌下神経 | 舌神経
(三叉神経の枝) |
鼓索神経
(顔面神経の枝) |
舌の神経支配には覚えることがたくさんある!試験で問われてもいつもアレ?なんだっけ?となってしまう原因はこの表なのではないか!?
とまあ、息を荒げてしまいましたが私は暗記するとしたら次のような形で覚えていればいいと思うのです。
覚えるのは舌の前2/3の神経支配だけで良い
<医学の基礎知識として>
神経 | 役割の例 | 障害されると? | |
舌の運動 | 12舌下神経 | 挺舌(ていぜつ) | 患側に偏位
嚥下障害・構音障害 |
咽頭を支配
(舌後ろ1/3) |
9舌咽神経 | 嚥下・感覚 | 嚥下障害・カーテン徴候 |
まずこれらを知識として知っておく。(医学部の上の学年になれば常識レベルになりますのでご安心を)
その上で下記を覚える。
<舌神経支配で覚える領域 舌の前2/3>努力して覚えるのはココだけ
知覚 | 味覚 |
5舌神経(三叉神経の枝) | 7鼓索神経(顔面神経の枝) |
舌2/3の神経支配の覚え方
ゴロで覚える
看護のみなちゃん
感覚が5(看護)
味覚が7(みな)
ゴロを覚えるほどの恩恵があるとも言えませんが、やはりゴロは覚えていれば知識の引き出しとして有能です。
いい覚え方あったら教えてください。
知識をリンクさせて覚える
三叉神経は顔面の知覚を始め、舌の前2/3の知覚を司っています。近いですよね。
始めのうちは舌神経の方がなんとなく舌の運動を司る気がしますが、三叉神経の枝と知っていれば迷うこともなく、また「三叉神経痛」で知られるように知覚性の線維がメインと結びつけましょう。
また顔面神経麻痺や中耳の手術で鼓索神経が障害をうけ味覚異常をきたすことを知っていれば鼓索神経が味覚に関わることを思い出せます。
【108D10】
味覚検査で異常を示した領域(①~⑤)を次に示す.
左中耳手術後に味覚障害を生じた患者でみられるのはどれか.↓
看護のみなちゃん
4です
舌の運動について
舌の運動(Motor)を司るのが舌下神経(12)です。(この知識の為にゴロやイメージは不要です)なおかつ舌下神経は純運動性神経です。
脳神経というものの、その実態は末梢神経であり、C5が上腕二頭筋に対応するように、舌下神経(12)は舌の運動を支配します。
舌下神経麻痺を調べる際に挺舌(ていぜつ)をさせます。挺舌とは、舌を前にべーッと突き出させることです。舌下神経に麻痺があると患側に偏位します。
97I12
65歳の男性.右顎下腺癌で腫瘍全摘と頸部郭清術とを受けた.術後半年後の舌の写真を次に示す.軽度の構音障害と嚥下障害とを認めるが,他の身体所見に異常はない.
障害部位はどれか.
舌後ろ1/3について
まず舌咽神経が咽頭を支配しており、障害されると嚥下障害、カーテン徴候を認める知識とリンクさせると良いでしょう。(厳密には迷走神経も絡んでいます)
舌の後ろ1/3(有郭乳頭よりも後ろ)は舌咽神経とだけ覚えていれば、知覚?味覚?なんて悩む必要はありません。
コメント
僕は、神経を前から並べ、顔面、三叉、舌咽を略して『癌sign』で覚えていました。