急性動脈閉塞症と代謝性筋腎症候群について

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急性動脈閉塞症は四肢の末梢動脈が塞栓子により突然閉塞して、疼痛・冷感・潰瘍・壊死などの虚血症状を呈したもの。

原因は心房細動などによる左房内血栓が最多で、塞栓部位は大腿動脈が最も多い。

えさきち
後述する代謝性筋腎症候群でわかるように、急死のリスクにつながる緊急疾患です。

<四肢動脈閉塞の5Ps>

  1. Pain(疼痛)
  2. Pallor(蒼白)
  3. Paresthesia(知覚異常)
  4. Paralysis(運動麻痺)
  5. Pulselessness(脈拍消失)

確定診断は造影CTや血管造影による閉塞血管の同定。

代謝性筋腎症候群(血行再建後症候群)

MNMS:myonephropathic metabolic syndrome

長時間経過した重症例に血管再建術を施行すると破壊組織の代謝産物(K、ミオグロビン、LDH、AST、CK、乳酸、スーパーオキシド)などが全身に灌流することにより、

  • 高カリウム血症
  • 不整脈
  • 肺水腫
  • 代謝性アシドーシス
などをきたすこと。重症例では心不全、腎不全をきたし急死の可能性がある。

MNMSの予測判断

  1. 発症からの時間経過
  2. 皮膚所見
  3. CK、K、LDHなどの上昇の程度

発症後6時間以内に血行再建術(Fogartyカテーテルによる血栓塞栓摘除術)を施行する。内科的治療としては凝固進展阻止のためにヘパリンを静注します。

えさきち
ワーファリンは内服であること、発現が遅いこと、コントロールが難しいことから使用しません

【83E49】

65歳の男性.夕食後突然左下肢の疼痛とともに,左下腿が冷たくなった.疼痛が持続し,左下肢を動かすことができなかった.翌日来院時の下腿の写真を次に示す.右大腿動脈および右足背動脈の拍動はよく触知されるが,左側は膝窩動脈から末梢の動脈拍動を触知しない.
まず行うべき治療はどれか.

83E49

83E49

a 抗血小板薬投与
b 静脈血栓摘除術
c 動脈血栓摘除術
d 動脈バイパス手術
e 腰部交感神経節切除術

正答

【95A110】
左右総腸骨動脈塞栓発生3日後の患者に,局所麻酔で塞栓・血栓除去術を行った.
血流再開後に起こりうる病態はどれか.3つ選べ.
a ミオグロビン血症
b アシドーシス
c 腸管壊死
d 対麻痺
e 腎不全

正答

【83E47】

35歳の女性.最近,軽い動悸,息切れが時々みられるようになった.今朝起床後,突然右下肢の疼痛と冷感とが起こり,歩行困難となり来院した.体温37.5℃.脈拍100/分,整.血圧110/90mmHg.心尖部に体位によって変化する2/6度の拡張期雑音を聴取する.赤血球480万,Hb 13.2g/dL,白血球8,200,血小板35万.CRP 6+.神経学的に異常所見はない.

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