Dupuytren拘縮(デュピュイトラン拘縮)では、進行性に手掌腱膜の瘢痕化による薬指・小指の屈曲拘縮をきたす。
引用http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/13dupytoren.html
中指・薬指・小指の手掌の線維腫を生じ屈曲拘縮に至ります。
その他の特徴として
- 中年以降の男性に多いこと
- 白人に圧倒的に多い(人種によって罹患率に著しい差がある)
- DIP関節には屈曲拘縮は認めらずむしろ過伸展(リウマチのようだ)
明確な原因は不明ですが、糖尿病との関連が明らかになっており、両側発症も多い(40~50%)。また片側発症でも1年以内に両側性になります。
拘縮では、ガチガチに固まって可動域制限が生じるので、自動のみならず他動的にも動かせない状況です。腱断裂や麻痺とは違うことを理解してください。
【95B57】
Dupuytren拘縮について誤っているのはどれか.
a 男性に発症しやすい.
b 多くは両側性である.
c 手掌腱膜の瘢痕性肥厚である.
d 拇指に発症しやすい.
e 手指の屈曲拘縮を起こす.
【107A6】
糖尿病の慢性合併症でないのはどれか.
a 足趾壊疽
b 尋常性痤瘡
c Charcot関節
d 浮腫性硬化症
e Dupuytren拘縮難しいですが、正解はb(尋常性座瘡 にきび)は糖尿病と関係ありません。選択肢e のDupuytren拘縮は糖尿病の合併症です
【110I58】
68歳の男性.右小指が伸ばせなくなったことを主訴に来院した.糖尿病にて内服治療中で,HbA1cは6.3%(基準4.6〜6.2)である.10年前から右手掌の小指側に硬結を触れ,硬結は徐々に硬くなってきた.洗顔の際に右小指で眼や鼻を突くようになってきたため受診した.硬結は22×8mmの大きさで索状に縦走する.右小指中手指節関節〈MP関節〉が屈曲しており,自動,他動ともに屈曲40°までしか伸展できない.他の指に可動域制限を認めない.感覚障害はなく握力も低下していない.
最も考えられるのはどれか.
a 屈筋腱断裂
b 伸筋腱断裂
c 尺骨神経麻痺
d 後骨間神経麻痺
e Dupuytren拘縮