Chédiak-Higashi症候群(CHSチェディアック・東症候群)は主に好中球の機能不全をきたす遺伝性疾患。白血球内の巨大顆粒を特徴とし、部分的白子症、易感染性、出血傾向などを示す。
遺伝形式・発症時期
リソソームの形成や細胞内輸送に関与すると言われるLYST遺伝子異常による。
遺伝形式は常染色体劣性遺伝である。
好中球機能不全って?
好中球は白血球の一種で、内部に殺菌性の顆粒をもつ。体内に侵入してきた細菌に向かっていき(遊走)、貪食し、酵素で殺菌する役割をもつ。
Chédiak-Higashi症候群の好中球機能不全は好中球の機能である
- 遊走
- 貪食
- 殺菌
のうち、遊走能と殺菌能の低下を指す。
好中球が貪食した異物を消化できず、好中球のリソソーム内に青色に染まる巨大な顆粒が蓄積する。
この巨大な顆粒のことを巨大ペルオキシダーゼ陽性顆粒という。
好中球機能不全を起こすとどうなる?
細菌(特に黄色ブドウ球菌)に対する抵抗性が減弱し、繰り返す化膿性の炎症をきたす。(化膿菌に対する易感染性)
治療・予後
抗菌薬投与、対症療法を行う。
造血幹細胞移植を行うこともあるが、進行した後では効果も薄い。
感染症やリンパ系悪性腫瘍を高率に合併し、予後は極めて不良である。