Crohn病は原因不明の肉芽腫性炎症性疾患で、薬物治療はメサラジン(5-ASA)をまず用い、コントロール困難な症例によっては副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、抗TNF-α製剤を用います。
どのようなCrohn病症例に抗TNF-α製剤を使う?
抗TNF-α製剤は難治例に有効な薬剤です。
サリチル酸製剤(メサラジン)のみでは寛解導入が困難な場合、ステロイドを使用します。抗TNF-α製剤は副腎皮質ステロイドが奏功しない症例、特に瘻孔を有する(肛門部病変)例に著効します。
難治例にも効くなら早期から使用すればよいという考え(Top-down)もあります。
抗TNF-α製剤の種類
Crohn病の抗TNF-α製剤には
- インフリキシマブ
- アダリムマブ
抗TNF-α製剤の注意点
抗TNF-α製剤は結核を増悪させるリスクがあります。導入にあたっては結核のスクリーニング検査が必須です。具体的には胸部Xpに加えてIGRAなどを行います。
Crohn病の鑑別疾患に腸結核がありましたね。
その他にも、
- 結核以外の感染症
- 重篤なアレルギー
- 間質性肺炎
- 血液障害
- 肝障害