Dressler症候群は心筋梗塞後症候群ともいい、心筋梗塞後2〜8週間で発熱、胸痛をともない発症する自己免疫性の心膜炎。
血液に曝露された心筋組織が抗原となって生じるアレルギーに起因すると考えられており、ステロイドが著効します。
臨床症状は急性心膜炎に似ますが、治療法は異なります。
通常、心膜炎ではウイルスなどが原因で生じNSAIDSを投与して経過観察しますが、Dressler症候群では自己免疫性の機序が考えられておりステロイドを使用します。
稀な合併症ですが、Dressler症候群による心膜痛と心筋梗塞後の狭心症、再梗塞による胸痛と混同しないことが重要です。
Dressler症候群の他にも心筋梗塞後の合併症には様々なものがあり、Dressler症候群は比較的遅いもの(2w以降)です。
<心筋梗塞後2週以降の合併症>
- 血栓・塞栓(脳梗塞)
- 心室瘤
- Dressler症候群