動揺胸郭(frail chest)の治療と注意点

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ヒトは呼吸をする時、胸郭と横隔膜などを使って胸腔を陰圧にして肺を広げています。富士山の山頂に行けばポテトチップスの袋が膨らむように、胸腔が広がり陰圧がかかることにより肺が広がります。

frail chest(フレイルチェスト)は多発肋骨骨折があることで呼吸の時に奇異運動をきたした胸郭のことです。肋骨が2本以上骨折することで、吸気時に胸郭を広げようとしますが骨折箇所は広がることが出来ず陥凹したり、逆に呼気時に突出したりします。

frail chestの治療は、重症例では気管挿管を行い間欠的陽圧呼吸(NPPV)による内固定を行います。胸郭が広がる力が弱まって肺が広がらないから肺の中から圧力をかけて肺を広げようという治療です。内固定を行う前に気胸のチェックを行う必要があります。気胸がある場合に胸腔ドレナージを行わずに陽圧換気を行うと、速やかに緊張性気胸をきたすからです。

実際には動揺胸郭(frail chest)がある症例では血気胸はまず合併していると考えます。frail chestそのものは内固定(陽圧換気)で治療可能な病態ですが、気胸がある場合に気胸の解除(胸腔ドレナージ)を施行せずに内固定を行うのは禁忌。

frail chest
  • 多発肋骨骨折による胸郭奇異運動のこと
  • 吸気時に陥凹し、呼気時に突出する
  • 重症例ではNPPVによる内固定
  • 内固定を施行する前に気胸のチェック
  • 気胸がある場合に胸腔ドレナージ
  • 気胸があるのに内固定すると速やかに緊張性気胸
  • frail chestがある場合は血気胸があるものとして扱う

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